東方巡遊記

伏見稲荷大社探訪 V

2022-02-05 改訂
2009-05-29~2021-07-25 実施

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目次

01.「伏見稲荷大社探訪」の目次と概要

02.深夜の伏見稲荷を撮影しながら探訪

伏見稲荷駅表参道楼門本殿千本鳥居奥社奉拝所熊鷹社三ツ辻

夜間撮影に用いたカメラ

深夜の伏見稲荷を撮影しながら探訪

京阪伏見稲荷駅

京阪本線の伏見稲荷駅
2014年4月25日。0033、京阪本線の伏見稲荷駅にて下車。これが終電。京の都の一日が終わりました。

伏見いなりちゃんのパネル
伏見いなりちゃんの前を通って改札へ。このパネルはアニメ「いなり、こんこん、恋いろは。」と京阪電車のタイアップ企画。普段の探訪活動にはキャラ要素が全くないから珍しく感じます。いなりちゃんかわいい。

伏見稲荷駅で探訪準備
夜明けまで5時間。現在の気温は12℃です。早速、稲荷山の探訪を始めましょう。

表参道

伏見稲荷大社の一の鳥居
伏見稲荷駅から琵琶湖疏水を渡って南に進むと、伏見稲荷大社の表参道の一の鳥居前に至ります。

ここは京都府京都市伏見区の深草。歴史的な行政区分は山城国紀伊郡深草郷であり、渡来氏族の秦氏が暮らした地として知られます。伊奈利社(伏見稲荷大社)は奈良時代初期の和銅4年(711年)、秦氏によって創建されたと伝わり、社としての歴史は1300年以上。稲荷山の信仰自体はそれ以前から存在します。伊奈利社の創建伝承をはじめ、山上の祭祀や本殿の遷座といった専門的すぎる話題は後段(pp.4-27)で詳しく紹介します。

JR奈良線の稲荷駅 伏見稲荷大社の一の鳥居
一の鳥居正面にはデイリーヤマザキ伏見稲荷大社前店。その左がJR奈良線の稲荷駅です。どちらも本日の営業は終了。人通りは殆どありません。

表参道の一の鳥居 表参道の一の鳥居
2018年3月3日。終電前の稲荷駅から。デジタルでは印象的な写真にならないことに気付き、リバーサルフィルムに手を出してしまいました。一線を越えた感じがあります。

夜間撮影に用いたカメラ

Panasonic LUMIX DMC-FZ8 MINOLTA α8700i
探訪のメインカメラはPanasonic LUMIX DMC-FZ8。熊野古道の旅でズーム機能を損傷するも、コンデジより写りが良いので夜間撮影に活用しました。後年にはフィルム式の一眼レフカメラを多用。オートフォーカスのMINOLTA α-8700iとリバーサルのFUJIFILM Velvia 100を使用しています。Velviaは極めて鮮やかな色合いが特徴のフィルム。実際の夜景より明るく写り、赤の発色が強いです。

夜の表参道 夜の二の鳥居と楼門
2018年3月9日。表参道から楼門へ。ライトアップの時間は過ぎています。ISO100のフィルムですから三脚とケーブルレリーズが必須。シャッタースピードと絞りは適正と思われる数値で撮ります。

講員大祭の献燈が並ぶ表参道 講員大祭の献燈が並ぶ表参道
2018年10月7日。講員大祭を控え、表参道に献燈が並んでいました。デジタルと違ってその場で仕上がりを確認できず、納得できる写真が撮れるまで何度も通うことになります。

夜の楼門前 夜の楼門前
深夜の楼門前。新旧の写真が入り乱れるのは気にしないでください。

夜のJR稲荷駅 ライトアップされた楼門
2013年9月9日。19時ぐらいだと観光客は多いです。楼門がライトアップされ、深夜よりは訪れやすい雰囲気。終電を逃すと帰れなくなるから時間には気を付けて。夜の稲荷山で迷ったら終電までに下山できへんよ。

一の鳥居からライトアップされた楼門へ ライトアップされた二の鳥居と楼門
2018年3月3日。一の鳥居からライトアップされた楼門へ。漆黒の空と朱色の鳥居・楼門の対比が良いですね。2018年以降の写真は全てリバーサルフィルムです。

楼門

夜の楼門 夜の楼門
稲荷山の西麓に建つ荘厳な楼門。安土桃山時代の天正17年(1589年)に再建されました。ライトアップしなくても存在感があります。

夜の楼門
夜の楼門前 夜の楼門を守る神使の狐
2018年3月9日と10月7日。稲荷大神の眷属である狐達が楼門を守ります。中世に荼枳尼天や狐が加わった神仏習合の稲荷信仰が確立。稲荷社といえば狐というイメージが定着しました。明治時代の神仏分離により、現在の伏見稲荷に仏教要素は殆ど残っていません。

ライトアップされた楼門
2013年9月9日。ライトアップされた楼門。これがデジカメの限界です。

ライトアップされた楼門 ライトアップされた楼門と神使の狐
2018年3月3日。稲荷社の朱色は稲荷大神の神徳を象徴する神聖な色。2枚目の狐のシルエットがかっこいいです。朱色を強調するため意図的にVelviaを使用しており、実際にはこれほど明るくシャープな情景ではないです。

本殿

楼門をくぐって境内へ
日付を跨いで2018年10月8日。真っ赤な楼門をくぐって境内へ。

講員大祭献品が並ぶ外拝殿 講員大祭献品が並ぶ外拝殿
2018年10月8日。楼門をくぐると外拝殿。 講員大祭献品が陳列されていました。伏見稲荷は全国の稲荷神社の総本社で、稲荷信仰の中心となる聖地。五穀豊穣や商売繁盛の神様として庶民から絶大な信仰を集めています。

夜の外拝殿と内拝殿 夜の外拝殿と内拝殿
2019年2月24日。外拝殿の奥に見えるのは内拝殿です。この日は満月でした。

「いなり、こんこん、恋いろは。」のポスター 夜の外拝殿と内拝殿
外拝殿から内拝殿へ。休憩所に「いなこん」のポスターが掲示されていました。

「いなこん」の舞台の伊奈里神社は伏見稲荷大社がモデル。うか様は伏見稲荷の主祭神である宇迦之御魂大神に相当するキャラクターです。アニメ化に際しては大社側の全面協力で制作され、境内にパネルやポスターが掲示。主祭神が登場するアニメに神社が協力してくれるなんて凄いことですよ。

夜の内拝殿
0100、内拝殿にて参拝。この奥が本殿です。

本殿中央の下社には主祭神の宇迦之御魂大神が鎮座。左の中社には佐田彦大神、右の上社には大宮能売大神が鎮座され、左右摂社の田中大神、四大神とともに一宇相殿にお祀りされています。お稲荷様とか正一位稲荷大明神として崇敬される稲荷大神とは、五柱の神様の総称なのです。「いなこん」でも、うか様が言及してますね。

夜の内拝殿 夜の内拝殿
2013年9月9日。伏見稲荷の境内は24時間開放されており、深夜でも参拝できます。警備員さんの詰所があり、境内や参道の警備体制は万全。古代から祭祀が続けられている神域であることを忘れず、くれぐれも神様に失礼のないように行動してください。

夜の内拝殿 夜の内拝殿
2018年3月9日。混雑する昼間とは違って静かな境内。自分と神様だけの穏やかな空間です。

夜の内拝殿と本殿 夜の内拝殿
2018年10月8日。内拝殿と本殿。地形的には稲荷山(233.8m)の西麓に位置しており、一の鳥居から本殿まで一直線に配置。かつて祭神が降臨された稲荷山の一ノ峰を遥拝する構成です。現在の本殿は室町時代の明応8年(1499年)に再建されました。

本宮祭の表参道 本宮祭の楼門前
本宮祭の外拝殿 本宮祭の内拝殿
2018年7月22日。全国の崇敬者が稲荷大神に感謝する宵宮祭・本宮祭では、参道や境内に掲げられた献納提灯が点灯されて真っ赤に。「いなこん」の舞台探訪としても一度は訪れたいお祭り。2014年7月20日の「伏見稲荷大社探訪 VI」からどうぞ。

夜の稲荷山へ
権殿左手の鳥居をくぐって稲荷山へ。鳥居が立ち並ぶ参道に入ります。

夜の稲荷山へ 伏見稲荷大社境内案内図
深夜に訪れるような物好きは限られており、今日は私だけ。時折、ライトを携行して巡回する警備員さんに出会います。三脚とカメラを持って探索していると全く怪しまれないです。

夜の稲荷山へ 末社
玉山稲荷社 奥宮
2018年10月8日。権殿の先には数々の境内社が鎮座。特に興味深いのが白狐社と奥宮です。

鳥居ゾーンの入口 夜の鳥居ゾーン
奥宮の右手が鳥居ゾーンの入口。真っ暗な参道の中に電燈が浮かびます。

夜の鳥居ゾーン 夜の鳥居ゾーン
2010年6月20日。稲荷山まで朱塗りの鳥居が延々と続きます。電燈が設置されているとはいえ、暗いところもあるから要注意。ヘッドランプや手持ちライトがあれば便利です。

鳥居ゾーンの入口
参道に並ぶ朱塗りの鳥居 参道に並ぶ朱塗りの鳥居
2018年3月3日。稲荷山の参道に並ぶ鳥居の数は約1万基。鳥居を奉納する風習は江戸時代に生まれ、明治時代になると稲荷山全域の参道が鳥居で埋め尽くされました。今ではすっかり定着して稲荷山の象徴になっています。

千本鳥居

千本鳥居の入口を守る神使の狐 千本鳥居の入口
2018年10月8日。伏見稲荷で最も有名な千本鳥居。二手に分かれた参道は両方とも奥社奉拝所へ。左右どちらを通っても構いません。

夜の千本鳥居 夜の千本鳥居
他の参道より鳥居が低くて密度が高いため、鳥居のトンネルを通るような独特の雰囲気。幻想的というか、非日常感というか、とにかく普通では味わえない特別な体験です。

夜の千本鳥居 夜の千本鳥居
夜の千本鳥居 夜の千本鳥居
2013年9月9日。リバーサルフィルムで撮ってからデジタル写真を見返すと、凄く地味な写りに感じます。これはこれでリアルですけどね。というか過去の探訪は鳥居の写真ばっかり。ひたすら鳥居や。

電燈に照らされた千本鳥居 電燈に照らされた千本鳥居
電燈に照らされた千本鳥居 電燈に照らされた千本鳥居
2018年3月3日。相変わらず鳥居を撮ってます。リバーサルはデジタルを超越していると思います。

電燈に照らされた千本鳥居 電燈には抱き稲の神紋
電燈に照らされた千本鳥居 電燈に照らされた千本鳥居
2018年3月9日。電燈には伏見稲荷の神紋の抱き稲。朱塗りの鳥居に反射している感じを出したい。

奥社奉拝所

千本鳥居から奥社奉拝所 夜の奥社奉拝所
0130、奥社奉拝所。奥の院とも呼ばれ、稲荷山の西麓に位置する遥拝所・供物所になります。体力的に稲荷山まで巡拝できない方は、奥社で遥拝するといいでしょう。

夜の奥社奉拝所 夜の奥社奉拝所
2018年3月3日。千本鳥居の暗闇を抜けて奥社が見える瞬間が好きです。

奥社奉拝所から稲荷山の入口 満月に照らされる奥社奉拝所
2019年2月24日。満月に照らされる奥社。稲荷の眷属たる命婦狐にも関係の深い社です。

白狐を象った絵馬 おもかる石と拝所
拝所には白狐を象った絵馬が奉納。右奥に佇むのは観光客に人気の「おもかる石」です。

夜の拝所に灯された蝋燭
2018年3月3日。奥社の背後にも遥拝所があり、蝋燭に火が灯されていました。

奥社奉拝所から稲荷山の入口 奥社奉拝所から稲荷山の入口
2019年2月24日と2018年3月10日。拝所の左手に進むと稲荷山の四ツ辻方面に至ります。

奥社奉拝所から稲荷山へ 奥社奉拝所から稲荷山へ
奥社から四ツ辻へ。この先の三叉路を過ぎると暗くて深い山道に。夜の稲荷山は迷いやすく、猪まで出没します。怖さを感じるなら無理して入らないほうがいいですよ。

伏見神寶神社へ 伏見神寶神社へ
2019年2月24日。奥社の先に分岐があり、右手の藪道は伏見神寶神社に通じます。参道から外れており電燈が設置されていません。ライト必須です。

夜の伏見神寶神社 夜の伏見神寶神社
同じく2019年2月24日。伏見神寶神社です。祭神は天照大御神。相殿に稲荷大明神をお祀りし、十種神宝を奉斎することから伏見神寶神社と称します。

夜の稲荷山参道 夜の稲荷山参道
四ツ辻に向かいます。熊鷹社までは緩やかな地形です。

参道に映る鳥居の影 稲荷山参道の鳥居
参道に映る鳥居の影
2018年3月10日。鳥居の影で縞模様になるのが面白い。夜の稲荷山には何度でも訪れたくなる魅力があります。私は夜間探訪に慣れているので怖さは全く感じません。

三叉路 トイレ前
三叉路を右折してトイレ前を通過。左折すると山に入らず本殿に戻ります。奥社奉拝所の先に24時間使えるトイレはありませんので、なるべく稲荷山に登る前に済ませておいてください。

夜の稲荷山参道
2018年3月3日。三叉路を過ぎると深い山の雰囲気。静まり返り、虫や蛙の鳴き声だけが響きます。

熊鷹社

熊鷹社のお塚
熊鷹社の手前にやってきました。「お塚」と呼ばれる無数の石碑が並んでいます。 熊鷹社は稲荷山に入って最初にお塚に出会う場所。千本鳥居しか知らずに訪れたら圧倒されると思います。

熊鷹社のお塚 熊鷹社のお塚
2019年2月24日。稲荷山のお塚は明治時代の神仏分離の余波を受けて生まれた信仰。個々の崇敬者によって奉納され、鳥居と同じく稲荷山の象徴になっています。現在の稲荷山には1万基以上のお塚が存在するらしい。

熊鷹社のお塚 熊鷹社のお塚
熊鷹社のお塚 新池に突き出した熊鷹社
2019年2月24日。無数の鳥居とお塚が密集する稲荷山独特の風景。稲荷社の長い歴史の中では最新の信仰形態なのですが、その精神は古代の稲荷山の祭祀に繋がっているように感じます。

夜の熊鷹社 熊鷹社のお塚
石段を登りきると熊鷹社。看板にも記されているように、カラスが火のついた蝋燭を咥え去るのが原因でボヤ騒ぎが頻発。参拝後は必ず蝋燭の火を消してください。大社からのお願いです。

熊鷹社のお塚 熊鷹社のお塚
夜の熊鷹社 熊鷹社のお塚
2019年2月24日。新池の畔に鎮座する熊鷹社。かつては稲荷山の奉拝所だったと推測されます。明治時代にお塚の信仰が生まれると周囲にお塚が集まり、現在の姿になりました。

熊鷹社の猫ちゃん 熊鷹社の猫ちゃん
熊鷹社の猫ちゃん
2018年3月10日。カメラを三脚にセットして適正露出を考えていると、猫ちゃんが寄ってきて無邪気に妨害されました。稲荷山には猫が沢山住んでいます。(妨害されたおかげで露出アンダーでした)

猪出没注意
2018年3月10日。猫だけでなく荒っぽい猪も生息しています。参道脇の藪の中に獣の気配を感じて、「どうせ猫だろう」と油断していたら猪だった。なんてことも。特に夜間は注意してください。

夜の稲荷山参道
熊鷹社から三ツ辻へ。ここから四ツ辻まで石段の登り道。10℃もないのに暑くなってきました。

参道に映る鳥居の影 稲荷山参道の鳥居
稲荷山参道の鳥居
2018年3月10日。この辺りで参道に猪が飛び出してきました。遭遇したら絶対に近寄らず、即刻撤退すること!シャッターチャンスとか言ってる場合やないで。

三ツ辻

茶屋「三玉亭」
三ツ辻を右折して茶屋「三玉亭」を通過。左折すると裏参道で稲荷山を下ります。

茶屋「三玉亭」 稲荷山の自販機
2018年3月10日。自販機を撮ってみました。こういう風景も魅力の一つです。

大阪榎木講社 きつねうどん
大阪榎木講社と茶屋「京屋」の前を通過。

静まり返った深夜の稲荷山を巡拝
次ページ、稲荷山の四ツ辻を経て一ノ峰へ。

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