東方巡遊記

大峯奥駈道トレッキング

目次

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プロローグ
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エピローグ

2019年4月27日(土)~2019年5月3日(金)

聖地、熊野三山に足を踏み入れて9年。遂に大峯奥駈道を踏破する時がやってきました。十分な経験、装備、体力、気力を要する修行の道。気楽な徒歩旅の概念を捨て、最後の難路に挑みます。

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おさらい

熊野古道地図_主要ルート 
大峯奥駈道の前に、熊野についておさらいしておきましょう。熊野本宮大社熊野速玉大社熊野那智大社から成る熊野三山。古くから深い山中に様々なルートが開拓され、巡礼や修験道で栄えました。熊野権現と呼ばれる神々をお祀りする、神仏習合の熊野信仰の聖地です。

熊野三山を巡る熊野詣は平安時代に始まり、中世から近世にかけて流行。明治時代に入ると巡礼は下火になり、参詣道の多くは忘れ去られてしまいますが、近年になって熊野の歴史が見直され、ルートが再発見されて整備が行われています。現在では「熊野古道」の名称で知られ、五つの主要ルートが徒歩旅向けに復元。紀伊路中辺路伊勢路大辺路小辺路(約762km)が存在しています。

熊野古道以外にも、熊野三山に接続する二つのルートがあります。平安時代に高野山の参道として開かれた高野山町石道(約22km)。同じく平安時代に熊野と吉野の間に開かれた大峯奥駈道(約170km)。総全長は約954kmとなり、各ルートのバリエーションは多種多様。全て踏破するには相当の時間と労力を必要とします。

熊野古道地図_1+2+3+4+5回目合計 
熊野古道の旅はこれまで5回実施しました。

2009年12月の「熊野古道トレッキング I」で伊勢路と中辺路。
2010年12月の「熊野古道トレッキング II」で中辺路と小辺路。
2013年12月の「熊野古道トレッキング III」で伊勢路と中辺路。
2014年12月の「熊野古道トレッキング IV(執筆中)」で大辺路と中辺路。
2015年12月の「熊野古道トレッキング V(執筆中)」で高野山町石道と小辺路。

5回に及ぶ旅で、総全長約954kmのうち延べ約796kmを踏破。長い道のりを経て、主要ルートの殆どを攻略することができました。大峯奥駈道以外の熊野の山道は歩き尽くしたと言っていいでしょう。紀伊路の大部分は車道のため、本レポで扱う予定はありません。これで熊野古道の旅は完結です。

構想

大峯奥駈道地図_計画 
今回の目的は大峯奥駈道の踏破。蔵王権現をお祀りする吉野山の金峯山寺と、熊野権現をお祀りする熊野三山を結ぶ修行の道。中世には修験道の一大道場として隆盛した深い山域であり、紀伊山地の大峰山脈を一直線に縦走する非常に険しく長い道のり。登山家の中では上級者向けのロングトレイルに位置付けられ、その難易度は熊野古道を遥かに超越します。

奥駈の方法は順峯逆峯の二通り。古くは熊野から吉野を目指す順峯が主流だったのが、後に吉野から熊野を目指す逆峯が始まり、今ではそちらが一般的に。交通アクセス的にも吉野発のほうが都合がよく、私は逆峯を選びました。山中に篭もって修行するわけではなく、あくまで縦走・踏破が目的。できるだけ短期間で歩き通す構想です。

当該山域の最高峰は、近畿最高峰でもある八経ヶ岳(1915.2m)。吉野を出発すると、延々と険しい山々を越えていかなければなりません。熊野古道とは全くの別物。十分な経験と装備を要する縦走登山の行程です。山中には避難小屋が点在するものの、使えない場合もあるためテント泊を前提に。これまでの旅と同じく単独行。怪我や遭難などの危険を承知の上で実施します。

一般的なハイキング・トレッキングの発想は通用しない大峰山脈。湧き水以外の補給は殆ど存在しないため全日程分の食糧が必須。テントやアルパインブーツ等、縦走登山用の装備も必要です。春先でも0℃まで冷え込むことがあり、寒さ対策が欠かせません。険しい山行を成功させるため、3年かけて万全の計画と装備を組みました。

計画

4月27日に兵庫県の自宅を出発。近鉄吉野駅から行程を開始、金峯山寺を経て奥駈を開始します。地図上で計算したルートは約95km。1日あたり15~20km程度歩き、6日間で熊野に辿り着く想定。一応、これが最も標準的な日程とされています。(実際には約120kmでした)

大峯奥駈道トレッキングに使った地図 
計画の作成には昭文社『山と高原地図 大峰山脈 2016』のほか、南奥駈道を再興された「新宮山彦ぐるーぷ」の「イラストマップ」を使用。湧き水や危険箇所などの詳細情報が分かりやすく記載された概念図です。実際に携行し、『山と高原地図』と併せて活用させていただきました。

装備

「大峯奥駈道トレッキング」におけるパッキング例 「大峯奥駈道トレッキング」におけるパッキング例 
6日間の「大峯奥駈道トレッキング」に使う装備一式。これまで熊野古道の旅で使ってきた装備を大幅に見直し、縦走登山に適した軽量コンパクトなテントやシュラフを導入。気楽なバックパッキングの意識を捨てて合理化に努めました。個人差はありますが、フル装備で20kg以内が理想的です。

中身を厳選して余計な小物類を持たないよう心がけ、思いつく限りのシンプルなパッキングで軽量化に繋げました。ウルトラライト系の装備は私のスタイルに向いていないので却下。あくまで徒歩旅の野宿道具をベースにした軽量風のパッキングです。旅のスタイルは人それぞれ。自分の旅に合った装備を選びました。

ザックは容量約75L以上のMILLET GRAND CAPUCIN 75+。地図や行動食の携行にイスカ ウルトラライト マウンテンサコッシュ。コンデジはRICOH G800。行動中は安全のためヘルメットを着用します。テントやアルパインブーツ等の詳細は「GEARS」からどうぞ。これも参考にはならないと思います。

水はザック内に4L、外付けポーチに0.5L。食糧は非常食込みで日数分を余り気味に用意して4kg。ザックとサコッシュが10kgで、合計重量は目標に収まる18.5kg。従来の熊野古道の旅ではテント無しでも20kgを超えていましたから、かなりの軽量化を実現できたことに。これで奥駈の装備は万全です。

注意

本レポは個人的な大峯奥駈道の踏破記録です。山行のガイドとして作成したページではありません。必ず注意事項に目を通した上でお楽しみください。大峰山脈で遭難事故が多発している実情をしっかり理解しておく必要があります。ただのロングトレイルではなく、長い歴史を持つ一大霊場であることも忘れてはなりません。

大峯奥駈道のテント泊単独縦走は間違いなく熟練者向け。単独行で起こりうる怪我や遭難などの危険をよく理解した上で、計画・装備など万全の態勢で、かつ自己責任で実施しています。強行軍も含みますが、全くもって推奨しませんのでご理解ください。真似をすると行動不能になる恐れがあります。

記載している計画・行程・コースタイムは個人の一例です。体力・気力には相当な個人差があり、旅のスタイルも千差万別。レポと同じように行動できるとは限らず、参考にはなりません。天候や季節によっては全く異なってしまう場合もあるでしょう。各種条件を考慮し、自分に合った山行を実施してください。

それでは、本編へ進みます。

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