熊野古道トレッキング I
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2010年1月1日(金) 9日目 中辺路
更なる難所越え。
0440起床。新年を迎えました。
・・・とりあえず寒いです。
現在地は和歌山県東牟婁郡那智勝浦町、那智山の熊野那智大社付近。
適当に野宿セットをパッキングして、那智大社に初詣。人はもう減ってました。
気温は-2℃、手水舎の柄杓が凍ってます。
そりゃ寒いはずですよ。
今年は平成22年(2010年)。干支は庚寅。
昨年の「星蓮船」で登場した寅丸星の年になります。
こんな状況でも、大抵東方のことを考えていたり・・・
皇學館大学から研修に来ている学生さんにオススメされ、護摩木を焚いて暖をとります。
彼らの話によると、昨日R42から見えた霧はこちらでは吹雪だったとか。
こちらは青岸渡寺と三重塔。荘厳な感じ。
那智山の雰囲気はとても良かったです。
バスの時刻は0653。
まもなく初日の出、バス停で待機します。
0653、那智山バス停から、
熊野交通那智山線、勝浦駅方面行きに乗車。
R46とR43で那智山を下ります。
運転手さんによると、那智駅から少し離れたところに
サークルKがあるようです。昨日は気付きませんでした。
※バスの運賃や時刻表は頻繁に改正されます。
レポに記載されている情報は古くなっていることがありますので、
必ず最新の情報を入手した上で訪れてください。
貸し切り状態だったので、サークルKの前で降ろしていただくことに。
ザックはバスに残し、帰りは浜の宮バス停から拾ってもらいます。感謝。
那智山にリターン。運賃は往復で940円。
明日の本宮まで、十分足りる食糧を補給しておきました。
しっかりパッキングして出発準備。ハイカーの姿がちらほら。
0815、青岸渡寺付近の雲取越入口にやってきました。
小辺路や大峯奥駈道を除けば、熊野古道の最難関となる雲取越。
今回の旅では、最も険しい山越えルートです。
ここから先も「熊野古道トレッキング IV(執筆中)」(12~15ページ目)で、
詳しく補完しています。
まずは那智高原公園へ。
軽装備のハイカーに追い抜かれました。
急ぐのは不可能ですから、マイペースで登りましょう。
雲取越は、那智山から大雲取越を経て小口、
小口から小雲取越を経て本宮大社というルート。
今日は小口に向けて、大雲取越をクリアしますよ。
0850、林道を渡って山道に取り付き。
これから深い山に入っていきます。
熊野詣だけでなく、西国三十三所の巡礼ルートとしても有名な雲取越。
舗装された林道と並行しながら登ります。
石畳が残り、自然と融合した素晴らしい雰囲気の山道。
実際に歩いていると、そんなことを考える余裕は中々ありません。
それでも、写真とメモはしっかり残しておかないと・・・
10月の台風18号の影響か、荒れている箇所がありました。
小口まで15kmぐらい。焦らず確実に進みましょう。
レポでは短いルートに見えるかもしれませんが、
撮影枚数が少ないだけ。実際には相当長いです。
1010、舟見茶屋跡で熊野灘を眺めながら休憩。
冷たい雪風に晒され、体力の消耗が早まっています。
気温は0℃、ボトルの水が少し凍っていました。
1025、出発。
舟見峠(883m)を過ぎて八丁坂を下ります。
ん~、全然進んでませんね。
色川辻に下ると、道が荒れているため通行止めの区間。
ハイカーが普通に入っていきました。おいおい・・・
※台風や大雨の影響で道が荒れ、
通行止めになっていることがよくあります。
無理に山道に入らず、安全な迂回路を通行してください。
というわけで、山道を迂回して林道を歩きます。
こっちも少し荒れていたり。
若干凍結していますが、アイゼンを使うほどではありません。
念のため携行した軽アイゼンは、全く使用しませんでした。
林道に乗って、川沿いに地蔵茶屋跡へ。
この右側に大雲取山(966.2m)がそびえています。
そろそろ昼休憩にしたいですね。
1200、中間点の地蔵茶屋跡。
ハイカー数名と共に休憩&昼食タイム。
向かい側には立派な地蔵茶屋休憩所がありました。
ハイカーの皆さんは雲取越を目的に訪れており、
今夜は小口で宿泊したり、小口に停めてある車で帰るとのこと。
宿やマイカーを利用すれば、軽装備で楽な行程になるのでしょう・・・
1218、出発。
まだまだ先は長いです。
林道を外れ、川を渡って山道へ。
次は石倉峠(805m)へ登ります。
1238、石倉峠(805m)を越えました。
東牟婁郡那智勝浦町から新宮市に入ります。
登りっぱなしというわけではなく、時々下りや平地もあります。
アップダウンは意外と険しくなかったように思います。多分。
一旦川沿いに下り、越前峠(870.6m)へ登り返し。
行程メモの記録が少なくなってきました。
1320、越前峠(870.6m)。
これで大雲取越の登りは終わりです。
1350、下り開始。
もう日が傾いてきたような・・・
胴切坂と呼ばれる石畳の急な下り。
誰がやったのか、看板の胴が切られていました。
峠を越えて気が抜け、時折足を挫いてしまいます。
ローカットのトレッキングシューズを履いてきましたが、
どう考えても選択ミス。ハイカットにするべきでした。
足回りは万全の態勢で訪れるようにしましょう。
(詳細はフットウェアのページを参照)
楠の久保旅籠跡まで下りました。
この辺りから、下りは少し緩やかに。
更に下って円座石。
かつて熊野の神々が座って談笑したところ。
ここからラストの急な下り。滑りやすいです。
まもなく小口。
一部に崩落箇所がありました。
実は山歩きもビギナーで、大したウェアは持っていません。
上は普通のシャツと防寒ジャケット、下は一応トレッキングパンツ。
充実しているのは野宿セットぐらいだったりします。
よくこんな装備で来たものですね・・・
1600、車道に下りました。
無事に大雲取越を終えて小口へと到着。
時報のサイレンが鳴り響きます。
R44、小口橋で小口側を渡って寝場所探し。
宿もありますから、野宿しない方はそちらをどうぞ。
コンビニはありませんので、念のため。
程よい寝場所を見つけたので、チキンラーメンを作ります。
難所ということで身構えていましたが、意外と順調な行程でした。
手早く寝る準備を済ませ、終電を気にすることもなく19時頃就寝。
2010年、最初の一日が終わりました。
本日の歩行距離は約17km。
ラスト、10日目に続きます。