熊野古道トレッキング II
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2010年12月29日(水) 5日目 小辺路
難路の始まり。
0500起床。
気温は5℃。それほど寒くはありませんでした。
現在地は和歌山県田辺市、本宮の「世界遺産 熊野本宮館」。
夜のうちに雨が降ったり止んだりしていましたが、
今は大丈夫そう。
本日より旅の後半となる小辺路。
近世から利用された深く険しいルートであり、
三つの大きな峠を越えていかなければなりません。
かつては生活道で、修験道にも利用されました。
0543、出発。
昨日の三軒茶屋跡を経由するのが本来のルート。
まだ暗いため、R168と地道で峠入口に向かいます。
0635、道の駅「奥熊野古道ほんぐう」にて小休止。
コンディションは良さそうでしたが、野宿禁止の張り紙がありました。
0650、出発。
寝場所も補給も限られているため、行程厳守。
もたもたしていると、すぐに日没を迎えてしまいます。
熊野川(新宮川)沿いにR168を進行。
前方には冷水山(1262m)を最高峰とする果無山脈。
後ろから太陽が昇ってきました。
八木尾橋で八木尾谷川を渡り、八木尾の集落へ。
0712、果無峠入口に到着。険しい小辺路の始まりです。
1000m級の峠越えが三つもある小辺路。
果無峠(1114m)、三浦峠(1070m)、伯母子峠(1220m)と続きます。
伊勢路と中辺路はハイキングやトレッキングの範疇ですが、
小辺路は本格的な登山。万全の態勢で登りましょう。
取り付き開始。民家の前を抜け、
舗装された林道を渡って山道に入ります。
まずは最初の難所を越えて十津川方面へ。
ここから高野山へのルートは、
「熊野古道トレッキング V(執筆中)」(5~10ページ目)で補完しています。
深い山の中へ、黙々と登ります。
峠入口から十津川まで三十三観音像が並んでおり、
目安にすることができます。
いつの間にか、和歌山県田辺市から
奈良県吉野郡十津川村に入っていました。
七色分岐の辺りが境界だったと思います。
一本だたらの伝説が残る果無山脈。
東方的には、「星蓮船」に登場した多々良小傘の
元ネタの一つと言えるかもしれません。
1028、ようやく果無峠(1114m)に到着。
十七番観音像がありました。
現在の気温は-2℃。
積雪があっても凍結しているわけではなく、
軽アイゼンは使用しませんでした。
北の下界には十津川の集落。
高野山は、あの山々の向こうにあります。
尾根道を下ります。
1220、果無の集落に下りました。
深い山の中にあり、果て無しっぽい雰囲気。
舗装された林道でもアクセス可能です。
畑の傍らに、世界遺産の石碑があります。
世界遺産・熊野古道といえばコレ!みたいな写真。
ガイドブックやポスター等、あらゆる媒体で登場します。
軽く休んだら、集落を抜けて十津川へ。
石畳の急な下り、滑りやすくて危ないです。
1312、西川に架かる柳本橋が見えてきました。
すぐ先で、熊野川上流の十津川と合流しています。
この橋からR168を1kmほど歩くと十津川温泉へ。
今回は小辺路に専念したいので寄りません。
1325、吊り橋(これも柳本橋)を渡って西川対岸のR735へ。
私は高所恐怖症です。
隧道の先は「十津川温泉 ホテル昴」。
R168から別れたR425沿いにあります。
時刻は1335。
難所をクリアしてようやく休憩&昼食タイム。
ここで泊まるわけがないので、今後の行程をチェックします。
検討の結果、R425を歩いて三浦峠入口まで行くことに。
寝場所は見つかるでしょうか?
1412、ホテルを出発。
西川沿いのR25を歩いて寝場所を探します。
普通の車道で、アップダウンは殆どありません。
今のところ、寝られそうなのはバス停ぐらい。
峠入口の西中バス停に期待します。
集落を通り過ぎていきます。
ああ・・・自転車を使いたい・・・
重里の町並みが見えました。
地元の方やお巡りさんに心配されたりしますが、
万全の態勢で実施しているから大丈夫です。
1540、玉垣内の川合神社。菅原道真を祀る社です。
向かい側にはトイレと自販機もありました。
ここで、高野山方面から来たフル装備の旅人に出会いました。
積雪はあるが歩けないほどではない、という貴重な情報を入手。
どちらの方面も、野宿に適したところは無い様子・・・
お互いの無事を願って別れます。
とりあえずバス停へ。
1608、峠入口の手前にある西中バス停に到着。
やはり寝場所には適していませんでした。
引き返しましょう。
そんなわけで、川合神社にリターン。
パスタとコーヒーを作り、ひっそり寝る準備。
1840、小さい軒下に入って就寝します。
本日の歩行距離は約25km。
6日目に続きます。