熊野古道トレッキング II
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2010年12月26日(日) 2日目 中辺路
深い山へ。
0430起床。
あまり眠った感じがしません。
気温は0℃。寒い。
現在地は和歌山県田辺市、鮎川の道の駅「ふるさとセンター大塔」。
朝から自炊は面倒なので、おにぎりとコーヒーで間に合わせ。
洗面とパッキングを済ませ、明るくなるまで待機します。
0635、出発。
まだ暗いので、無難なR311を使用。
蕨尾橋で富田川を渡り、北郡隧道を抜けます。
本日は滝尻から山に入り、継桜王子のある野中へ。
R311を外れ、吊り橋(北郡橋)を渡って富田川対岸の車道へ。
清姫橋(R218)で西谷川を渡ると清姫の墓。
安珍・清姫の物語が伝わるところです。
時刻は0710。富田川を眺めて休憩します。
本日の天気は曇リ。予報によると、にわか雨らしい。
R218からR311に復帰。
かつては、富田川を何度も徒歩で渡らなければならなかった難路。
現在では立派な車道や橋が整備され、普通のルートです。
滝尻橋(R371)で富田川を渡ると、ようやく滝尻王子。
下三栖から別れた潮見峠ルートとの合流点であり、
富田川に石船川が注ぐ地点でもあります。
石船川を渡って「熊野古道館」に寄り道。
その名の通り、中辺路のビジターセンターです。
ここは寝場所に使えそうですね。
0800、滝尻王子の休憩所。
本宮大社まで長い山越えルートになります。
今のうちによく休んでおきましょう。
尚、紀伊田辺駅から滝尻までバスが出ています。
手早く山道に取り付きたい場合は、バスをご利用ください。
剣ノ山(371m)の麓に位置し、
熊野の聖域の入口となる滝尻王子。
古くから熊野詣の重要なチェックポイントであり、
今では天照皇大神を主祭神とする滝尻王子宮十郷神社になっています。
荒廃した時代もありましたが、近年になって修復。
中辺路を歩くハイカーや観光客で賑わうようになりました。
0805、山道に入ります。
いよいよ熊野古道らしいルート、
まずは高原の集落を目指しましょう。
ここから次の分岐がある船玉神社までのルートは、
「熊野古道トレッキング III」(9~10ページ目)で補完しています。
胎内くぐり&乳岩。
熊野詣の様々な伝説が残っています。
全部説明するときりがないので割愛。
不寝王子跡を通過。
序盤から剣ノ山の尾根を登るルート。
思っていたよりペースは伸びません。
滝尻から本宮大社まで、0.5km間隔で標識が設置されています。
これは不寝王子を過ぎたところにある1番目の標識。
75番目の標識は、まだまだ遠い・・・
剣ノ山経塚跡。標高371mの山頂です。
ここを過ぎると、道は緩やかに。
0915、山頂の展望台で小休止。
北の下界には栗栖川の町並みが見えます。
前回の旅で、熊野古道の雰囲気は大体掴めました。
補給・野宿・エスケープの事情、気温や道の厳しさは把握済み。
どんな装備が必要なのか再検討し、足りないものは改善しています。
山歩きやバックパッキングも、それなりに自信が付きました。
とは言え、今回歩くのは初めてのルート。
2009年8月の「東北ツーリング I」のように、
悲惨な出来事は自信がついた頃に起きるもの。
油断は禁物です。
0920、出発。
道は徐々に緩くなり、下りメインに。
前回履いていたのはローカットのトレッキングシューズ。
終盤で足を挫くことが多く、はっきり言って失敗でした。
今回は当然ハイカット。足回りは万全の態勢です。
(詳細はフットウェアのページを参照)
再び登りメインの道へ。
針地蔵尊を通過し、NHK栗栖川テレビ中継放送所で休憩・・・
時刻は1003、気温は4℃。フル装備の旅人に追い抜かれました。
1015、出発。
山道を下り、民家の前を抜ける砂利道に。
高原の集落が見えてきました。
1025、大きな楠のある高原熊野神社。
応永9年(1402年)の創建と伝わります。
主祭神は速玉男命と天照大御神。
この社も合祀・伐採の危機に直面しましたが、
南方熊楠によって守られ、現在まで残っています。
「高原霧の里休憩所」へ。
北東には冷水山(1262m)を最高峰とする果無山脈。
本宮大社から、あの山々を越えていくわけです。
駐車場では地元のハンター達が出動準備中。
そういえば、今は猟期ですね~
休憩所にIN。
午後の行程をチェックしながら、のんびり休憩&昼食タイム。
このペースなら、野中より手前の近露で停止することになるでしょう。
ガイドブックのルートタイムから、徐々に遅れが生じています。
現在の気温は5℃。
保温性の高いインナーとフリースを着ているので、
日中はそれほど寒くはありません。あくまで参考程度に。
一里塚跡の休憩所。
登りメインですが、平坦なところもあります。
順調に進み、高原池を通過。
1200、大門王子跡。復元された祠がありました。
今日は雲行きが怪しいです。
一応、雨の気配はありません。
標識が所々に設置されており、道を外すことはないと思います。
とは言っても決して油断せず、たまには地図とコンパスで位置確認。
前回のように、うっかり道を外すこともあります。
1237、十丈峠(569m)を過ぎて十丈王子跡の手前。
非常電話に休憩所、とても綺麗なトイレが整備されています。
完全に山の中ですが、十分寝られそうな雰囲気。
私は設営・撤収の手間を考慮してテントを携行していませんが、
テント泊なら、寝場所の選択肢はもっと広がると思います。
その代わり、重くなりますけど・・・
悪四郎山(782m)の北を抜けていきます。
1300、悪四郎屋敷跡を通過。
普通のアップダウンが続きます。
それほどきついルートではありません。
1405、逢坂峠で未舗装林道を渡ります。
この下には新逢坂トンネル(R311)が通り、
本宮大社まで中辺路と並行しています。
坂尻の谷を下ります。
前方にはハイカー・・・じゃなくて観光客の姿。
滑りやすいので、足回りは万全の態勢でお願いします。
津毛川沿いに歩き、大坂本王子跡を過ぎました。
まもなくR311に合流します。
1450、R311沿いの道の駅「牛馬童子ふれあいパーキング」に到着。
マイカーやバスの観光客が沢山。隅のほうで休憩します。
軒下が小さく、寝場所には向いていない雰囲気。
1515、近露を目指して出発。
本日の最終行程になります。
R311を渡って山道へ。
箸折峠(380m)まで軽い登りです。
1543、箸折峠。
牛馬童子像と役行者像、宝篋印塔があります。
観光客の皆さんは、道の駅からこれだけ見て帰る様子。
薄暗くて写りが悪かった。
中辺路で最も有名と思われる牛馬童子像。
色々あって天皇を退位し、出家した花山法皇が、
延喜22年(922年)に熊野を訪れた時の姿を模して作られたのだとか。
2008年6月、不届き者により頭部を切断され紛失する事件が発生。
10月に頭部の複製が完成し、胴体に取り付けられました。
一旦、車道に下りました。
再び山道に入って、R217に合流します。
北野橋で日置川を渡ると近露王子跡。
時刻は1610。まもなく日没です。
近露を散策中・・・そろそろ寝場所を確保しましょう。
宿もありますので、野宿しない方はそちらをどうぞ。
寝場所に適した駐車場を発見。
今夜はここを使用させてもらいます。
手早くチキンラーメンを作り、野宿セットを設置。
明日以降の行程をチェックして、2日目を終えました。
1830、就寝。
本日の歩行距離は約18km。
3日目に続きます。