熊野古道トレッキング II
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2010年12月25日(土) 1日目 中辺路
クリスマス。
0520に自宅を出発し、JR紀伊田辺駅に到着したのは0939。
本日の天気は晴れ。ここは和歌山県田辺市です。
まずは順調なスタートと言えそう。
現在地は略地図上の紀伊田辺。
熊野古道はここで3ルートに分岐。
大阪から延びてきた北の紀伊路。
本宮大社へ向かう東の中辺路。
那智へ向かう南の大辺路に別れます。
今回の「熊野古道トレッキング II」では、中辺路で本宮大社へ。
中世から利用された最初期の熊野詣ルートになります。
「熊野古道トレッキング III」(8~11ページ目)では、本宮大社からここまで。
「熊野古道トレッキング IV(執筆中)」(2~6ページ目)では、大辺路で那智へ。
紀伊路は未踏破ルートとなっています。
コンビニは駅から若干離れており、補給は意外と不便。
熊野の旅を始める前に、駅前のR31を下って闘鶏神社へ。
允恭天皇8年(419年頃)の創建と伝わる社で、
主祭神は熊野三所権現。すなわち熊野三山の神々を祀ります。
紀伊路・中辺路・大辺路の分岐点にあり、熊野詣のチェックポイントとなる社。
弁慶とか熊野水軍の歴史も残っています。
前回の「熊野古道トレッキング I」は、
万全の計画と言いつつ行き当たりばったりの旅。
今回は、その結果に基づき計画を大幅に改善しました。
本宮大社を経て高野山まで、順調に行程を進めようと思います。
別に、変なフラグを立てているわけではありませんよ?
1000、出発。R207を抜けてR42へ。
初日は滝尻方面を目指します。
田辺バイパス(R42)に乗りました。
今回も山に入るまでは車道がメインになるため、
どうでもいいところは極力カットしてあっさり進みます。
今年8月の「東北ツーリング II」は素晴らしい旅でした。
これからはサイクルツーリングとバックパッキングを両立し、
舞台探訪はもちろん、旅の範囲をどんどん広げていこうと思います。
というわけで、前回よりこなれた感じで進行。
天王池の手前でR207に入り、
1052、岩船山(天王の森)の麓にある須佐神社。
主祭神は須佐之男命。かつては牛頭天王社でした。
引き続きR207を歩きます。
熊野橋(R216)で左会津川を渡り、
万呂王子跡を過ぎてR35に乗り換え。
平安~鎌倉時代にかけて、
熊野詣のメインルート(紀伊路・中辺路)には
王子と称される社が数多く整備されました。
沢山あったことから九十九王子と呼ばれましたが、
その多くは時代の流れとともに衰退し、残っていません。
現在では王子跡の案内板が設置されています。
1133、下三栖の三栖廃寺塔跡に寄り道。
白鳳時代(645~710年頃)の創建とされる寺院跡。
三重塔があったと考えられています。
現在地は下三栖。略地図上の○。
中辺路はここから滝尻まで2ルートに分岐。
水呑峠、捩木峠、潮見峠を越える北のルート。
富田川沿いにR311を進む南のルートに別れます。
今回は富田川ルート、
「熊野古道トレッキング III」(11ページ目)では滝尻から潮見峠ルートを選びました。
1145、Vショップを過ぎて右折。
R35を離れ、善光寺橋で左会津川を渡ります。
報恩寺(善光寺)から高畑山(226m)の北を通ります。
気温は10℃。田舎らしい雰囲気になってきました。
今回歩く中辺路は、かつての王子跡を辿りながら本宮大社を目指すルート。
最初期の熊野詣の雰囲気をなんとなく感じつつ、深い山に入っていきます。
王子跡を全てチェックしたわけではなく、一部は割愛しています。
道は荒れており、畑の中に消えてしまいました。
初日から時間をロスしたくないので、無難なR35を使うことに。
無事R35に復帰。
1243、新岡坂トンネルを通過します。
※厳密な熊野古道ではなく、分かりやすい車道を優先しています。
レポのルートが、ガイドブック記載の熊野古道というわけではありません。
また、歩道が設置されていない車道も多く存在しています。
車には十分気を付けて歩きましょう。
主祭神は天照大御神。
明治41年(1908年)に岩田神社に合祀されますが、後に復社。
西行法師の歌にも登場し、現在まで社として残っている王子です。
前回の旅で実感しましたが、
機能性の高いアウトドア装備が存在しない時代に、
どんなところでも訪れている西行は凄いと思います。
私は装備に頼りっぱなしなので・・・
1320、藤に覆われた田中神社。由緒等の詳細不明。
大正4年(1915年)に八上神社に合祀されますが、後に復社されました。
この森は南方熊楠の保護活動により、伐採を免れたとのこと。
神社を出てR35に戻ります。
早速、ハイカーのグループに出会いました。
1333、R35を外れて標高134mの小さな山へ。
深見から王子谷に抜ける、ちょっとした山道です。
R311の稲葉根王子トンネルを通ってもいいでしょう。
由緒等の詳細不明。
やはり大正4年(1915年)に岩田神社に合祀、
後に復社されたとのこと。
1430、R311沿いのローソンで休憩&最終補給。
3日後の本宮まで補給出来ないため、多めに調達します。
まだ山にも入っていないのに、疲れてきました。
※レポ記載のコンビニは無くなっていることもあります。
補給に支障をきたしますので、必ず最新の情報を調べてください。
1452、出発。このペースだと、
滝尻の手前で日没を迎えそうです。
市ノ瀬橋を渡ってR311からR219に乗り換え。
富田川沿いに歩き、滝尻方面を目指します。
R219から小山の集落に入って一ノ瀬王子跡。
明治40年(1907年)に春日神社に合祀され、
現在では祠のみとなっています。
加茂橋を渡ってR219からR311に乗り換え。
この辺りは富田川の中流で、古くは岩田川と呼ばれました。
中世の熊野詣では、熊野は現世の浄土と考えられていました。
岩田川は浄土に向かうための三途の川に見立てられたそうです。
滝尻まで何度も川を渡るのは、浄化の意味があるのですね。
1615、鮎川の町並みを抜けて鮎川王子跡。
明治7年(1874年)、住吉神社に合祀されました。
鮎川新橋(R221)を渡り、大宮橋で内ノ井川を渡ると住吉神社。
宝永年間(1704~1711年)の創建と伝わる社。
その名の通り、主祭神は住吉三神です。
1630に日没を迎え、もう暗くなる頃。
R311に戻り、道の駅「ふるさとセンター大塔」へ。
今回のルートは紀勢本線と並行しておらず、無人駅はありません。
道の駅も限られており、適当な休憩所や軒下を探す必要があります。
観光情報は沢山揃っていても、野宿情報はとても少ない熊野古道。
これだけは、実際に探してみないと分からないんです。
1715、道の駅「ふるさとセンター大塔」に到着。
日が暮れてしまったので、これ以上進むのはやめておきます。
残念ながら、滝尻には届きませんでした。
とりあえずトイレや自販機はあるものの、
軒下が小さく野宿には向いてないことが発覚・・・
素早く夕食を済ませると、適当なところに野宿セットを設置。
1830、就寝します。
初日の歩行距離は約18km。
2日目に続きます。