熊野古道トレッキング II
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中辺路(紀伊田辺~本宮大社)
小辺路(本宮大社~高野山)
2010年12月25日(土)~2011年1月2日(日) プロローグ
2009年12月に実施した「熊野古道トレッキング I」から1年。
程よい季節になってきたので、今年も歩いてきました。
まずは、前回のおさらいから始めましょう。
※当サイトの内容を過信して発生したトラブルには一切の責任を負いかねます。
必ず注意事項に目を通してからレポをお楽しみくださいますよう、強くお願いします。
本レポには野宿要素が大変多く含まれているので、苦手な方はお引取りを。
・おさらい
熊野三山を巡る熊野古道には、五つの主要ルートがあります。
前回踏破したのは伊勢神宮から熊野速玉大社に至る伊勢路と、
熊野速玉大社から熊野那智大社を経由し、熊野本宮大社に至る中辺路。
実際に歩いた距離は10日間で約228kmでした。
左が全ルート、右が前回踏破したルートです。
伊勢路は比較的温暖で、沿岸部の峠道を町から町へと歩くルート。
JR紀勢本線や車道と並行しているため、補給・駅寝・エスケープが容易でした。
伊勢路のうち、いくつかのルートはカットしていますが、
今回の行程にはあまり関係ないのでここでは触れません。
一方、那智大社から本宮大社に至る中辺路は0℃ほどに冷え込み、
深い山を抜けるため補給とエスケープが限られた険しいルートでした。
全体的には、気楽な旅だったと思います。
・構想
今回は紀伊田辺から本宮大社に至る中辺路(約63km)。
本宮大社から高野山に至る小辺路(約67km)を踏破する構想。
高野山から九度山への下りは高野山町石道(約22km)。
こちらは熊野古道ではありませんが、セットで世界遺産に登録されたルート。
合わせて約152km。これで熊野古道の主要な山道を踏破することになります。
※高野山~九度山に下る高野山町石道はカットしました。
2013年12月の「熊野古道トレッキング III」、2015年12月の「熊野古道トレッキング V(執筆中)」で、
今回のルートやカットした区間を補完しています。
・計画
12月25日に兵庫県の自宅を出発。
JR紀伊田辺駅から行程を開始、中辺路を辿って本宮大社へ。
本宮大社から小辺路を辿って高野山の金剛峯寺を目指します。
高野山の探訪後は、高野山町石道を下って南海電鉄九度山駅でゴール。
全部で8日ほどの行程となります。
前回と大きく異なり、ひたすら深い山を抜けていくルート。
補給とエスケープが殆ど存在しない、困難な行程になります。
電車は通っておらず、エスケープに使える交通手段は限定的。
コンビニ・スーパー等の補給は非常に少なく、自炊が必須。
さらに小辺路は積雪量が多く、0℃以下に冷え込む難所。
気楽な旅ではないことを意識して計画を作成しました。
計画の作成には山と渓谷社の『熊野古道を歩く旅』(2008年の情報)と、
「わかやま観光情報」の「街道マップ」を使い、実際にこれを見て歩きました。
足りない情報もあるので、インターネットで入念に事前調査する必要があります。
・装備
いつものバックパッキング用装備。
前回の旅を元に、ウェア等を改善しています。
詳細は「GEARS」を参照してください。
ザックは容量約45LのMILLET LD ODYSSEE 45+。
野宿セット(テント無し)や自炊セット等をパッキングしています。
ウェストバッグと、地図入れのショルダーポーチも携行。
背面には食糧入れのフィールドパックを装着。
防寒装備は特に重視。
トレッキングシューズはハイカットに変更しています。
カメラはRICOH G600のみで、自炊用の食糧は多めに携行。
ストックの先端には、路面保護用のゴムキャップ必須。
重量はウェストバッグとザックの合計で約20kg+α。
食糧が増えたため、前回より少し重くなっています。
・レポについて
本レポは個人的な踏破記録です。
ガイドとして作成したページではありませんので、
必ず注意事項に目を通した上でお楽しみください。
ページ数の都合により、掲載内容は大幅にカット。
スムーズに進行しているように見えるかもしれませんが、
実際の行程は長く、決して楽なものではありませんでした。
レポと同じように歩き通すのは多分難しいと思います。
また、記載している計画・装備は個人の一例です。
全て自分のスタイルに合わせており、あまり参考になりません。
体力や天候、季節によってルートタイムは大きく変わります。
単独踏破には相応の困難が伴うことにも留意しましょう。
それでは、本編へ進みます。