東方巡遊記 GEARS

スノーギア

2022-09-17 公開

積雪期の山で使うスノーシュー・アックス類。旅のバリエーションを増やすための装備です。

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はじめに

大雪の熊野古道
日帰りの低山ハイキングから始まった山歩きは、やがてテント泊前提のトレッキングや縦走登山に発展します。最初は3シーズンの山歩きを楽しんでいたのが、経験を積むうちに雪山に行きたいと思うようになります。もちろん個人差はありますが、冬用のウェアを揃えて寒い環境に対応すると、スノーシューで歩くハイキングへ、更にはアックスやクランポンを使用する冬山登山へとエスカレートします。

私は雪を想定しなかった冬季のトレッキングで大変な目に遭って以来、雪山を志向するようになりました。あくまで雪のある風景を楽しむハイキングに留めており、危険度の高い冬山登山は控える方針です。とは言え、たまには標高が高い冬山にも登ってみたいので、最低限の装備だけは揃えました。夏とは打って変わって氷に閉ざされた世界を体験し、探訪記事を充実させたいという目論見があります。

但し、冬季のアウトドア活動は非常に危険です。冬山登山は一歩間違えなくても簡単に死に至ります。低山ハイキングでも凍死などの危険度が跳ね上がります。徒歩旅の延長で山歩きを楽しむ私は、冬山どころか登山の経験すら浅いビギナーであり、このページの情報は全く役に立たないと明記しておきます。装備を選ぶ際は必ずショップや経験者に相談し、使用方法の講習を受けてください。

目次

シューズカバー・ゲイター

モンベル シンプルオーバーシューズ(2010~2017年まで使用)

モンベル シンプルオーバーシューズ モンベル シンプルオーバーシューズとスノーシューを併用
トレッキングシューズを冬季対応にするオーバーシューズ。3シーズン用のトレッキングシューズ(SIRIO P.F.301)にスノーシュー(モンベル スノーポン)を装着してハイキングを楽しむために導入しました。撥水性と耐久性を兼ね備えたナイロン生地と、滑り止めが施されたポリエステルのソールから構成。靴の上から着用して上部のドローコードを絞るだけのシンプルな作りです。

実際に使ってみると、確かに雪除けの性能は良好です。レインウェア(モンベル スーパーハイドロブリーズ レインウェア)のパンツと併用すれば、深い積雪でも靴が濡れませんでした。しかしながら、防水性に優れるP.F.301はそのままの状態でも雪に踏み込めることが分かった上、ソールはクランポンとの接触でボロボロになり、敢えてオーバーシューズを使う意味を感じなくなりました。

そもそも、P.F.301のような柔らかい靴にクランポンを装着すると足が痛くなります。積雪期の山歩きを続けるなら、こういった製品ではなく冬山対応の靴を買ったほうが安全です。後に堅牢なアルパインブーツ(Montura Vertigo Leather GTX)を導入し、スパッツ(オンヨネ レインスパッツ 32cm)と併用するスタイルを確立。入門用のオーバーシューズは役目を終えました。

Outdoor Research Crocodile Gaiters(2019年から使用)

Outdoor Research Crocodile Gaiters
冬山登山に対応する防水仕様のゲイター。スノーシュークランポンを装着する山歩きで使います。

Outdoor Research Crocodile Gaitersを雪山で使用 Outdoor Research Crocodile Gaitersを雪山で使用
防水透湿素材"GORE-TEX"(3レイヤーの70Dナイロン)と、堅牢な"CORDURA"(2レイヤーの1000Dナイロン)から構成。脱着は正面の強固なベルクロで行い、剥がれを防ぐタブを備えます。靴の底部に通すインステップストラップは丈夫な"BioThane"(PVCコーティングされたポリエステル)製で、金属製バックルに通して固定します。下部は靴紐に掛ける金属製フック、上部はアセタール樹脂製カムバックル(ITW Fixlock 820)付きのストラップを備え、脚にしっかり保持される構造です。

本格的な冬山装備だけあって、防水性と耐久性は最高レベルです。GORE-TEXのアルパインブーツ(Montura Vertigo Leather GTX)、レインウェア(モンベル スーパーハイドロブリーズ レインウェア)のパンツと併用すれば、深い積雪に踏み込んでも全く浸水しません。隙間からも雪が入りにくく、積雪期の山歩きで重宝します。ゲイターが必要になったときに素早く装着できるよう、カムバックルには蛍光テープで"L"と"R"を示すラベルを貼りました。これなら左右がひと目で把握できます。

Outdoor Research Crocodile Gaitersとスノーシューを併用 Outdoor Research Crocodile Gaitersとクランポンを併用
スノーシュー(モンベル スノーポン)、クランポン(PETZL VASAK LLU)との相性も良好。冬山登山には欠かせないゲイターです。但し、クランポンの爪の引っ掻きに耐えられるのは下部のCORDURA生地だけ。上部のGORE-TEX生地は普通に穴が空いてしまいます。破れた箇所はモンベル GORE-TEX パーマネントリペアシートで補修すればいいのですが、私の足捌きなら側面までCORDURA生地で補強されたExpedition Crocodile Gaitersを選ぶべきでした。

スノーシュー・クランポン

モンベル スノーポン(2010年から使用)

モンベル スノーポンの収納状態 モンベル スノーポンのスノーシュー
モンベル スノーポンのフルセット モンベル スノーポンのクランポン
スノーシューとクランポンの機能を併せ持つ画期的な製品です。スノーシューはアルミ製のフレームとPVCコーティングされたポリエステル製のデッキ、ステンレス製のシャフトから構成。クランポンはステンレス製で、靴に装着するための樹脂製ベルトを備えます。バインディング分離式の構造になっており、クランポン単体で軽アイゼンとして使ったり、合体してスノーシューとして使うことができます。積雪期のハイキングを始めるにあたり、ビギナーでも手軽に使えそうなスノーポンを選びました。

deuter Speed Lite 26にモンベル スノーポンを装着 モンベル スノーポンのフルセット
スノーポンはザックに装着または収納して携行します。この写真では軽量ザック(deuter Speed Lite 26)のフロントポケットに収納。スノーシューはベルクロストラップで抱き合わせ、底面のスパイクでザックの生地を破らないよう厚紙を挟んでいます。クランポンは付属の頑丈なスタッフバッグで携行。スパイク同士を抱き合わせて収納すれば安全です。但し、ベルトをうまくまとめないと入りません。

モンベル スノーポンのクランポンをアルパインブーツに装着 モンベル スノーポンのクランポンをアルパインブーツに装着
モンベル スノーポンのクランポンをアルパインブーツに装着 モンベル スノーポンのクランポンをアルパインブーツに装着
アルパインブーツ(Montura Vertigo Leather GTX)にクランポンを装着。スパイクは土踏まず、ラチェットバックルは外側になるのが正しい取り付け方。現地で素早く装着できるよう、クランポンには蛍光テープで"L"と"R"を示すラベルを貼りました。バックルを締め込んでも、前方のベルトは行動中にずれやすいです。スノーシューの抱き合わせに用いたベルクロバンドで2本のベルトを固定します。

当初は3シーズン用のトレッキングシューズ(SIRIO P.F.301)にオーバーシューズ(モンベル シンプルオーバーシューズ)を被せた上に装着しましたが、柔らかい靴にベルトを締め込むと足が痛くなる問題が発覚しました。現在では堅牢なアルパインブーツを履いて、スパッツ(オンヨネ レインスパッツ 32cm)またはゲイター(Outdoor Research Crocodile Gaiters)と併用しています。

軽アイゼンとしての機能は最低限。緩やかな低山ハイキングなら、凍結した斜面や石段の上り下りに役立ちます。上述したベルトのずれやすさは下り道で特に顕著。バックルとベルクロバンドで固定しても、接地の衝撃で土踏まずからずれることが多々あります。バックルのレバーに雪が固着し、開閉しにくくなる欠点も抱えます。本格的な冬山登山に使うのでなければ許容できる性能です。

モンベル スノーポンのスノーシュー モンベル スノーポンのスノーシュー
モンベル スノーポンをアルパインブーツに装着 モンベル スノーポンをアルパインブーツに装着
スノーシューとクランポンを合体。かなり角度を付けて嵌め込みますので、靴にクランポンを装着した状態では合体できません。スノーシューとして使う場合は、靴の前部にスパイクが位置するように取り付けます。他のスノーシューを使ったことがないので何が基準か分かりませんが、緩やかな低山ハイキングなら、膝まである新雪の上でも重さを感じず歩けます。耐久性も問題なしです。

スノーシューハイキングにはストックが必要です。当初はバランスを取りやすいダブルストック(VAXPOT トレッキングポール)を使っていたのが、シングルストック(モンベル 2-Wayグリップ アンチショック)でも普通に歩けることが判明。雪山の風景をコンデジで撮りながら歩きたいので、片手がフリーになるシングルを使っています。そういった目的がなければ、ダブルのほうが望ましいです。

モンベル スーパーハイドロブリーズ レインウェアを雪山で使用
私の旅の目的は歴史探訪であり、積雪期のハイキングも寺社や史跡を巡る探訪活動の一環と言えます。雪に閉ざされた山中の寺社はアルパインブーツだけでは辿り着けません。スノーポンがあれば積雪の深さに関わらずアクセス可能になり、誰も訪れない幻想的な風景を楽しめます。登山目的なら違う評価になるのでしょうが、旅のバリエーションを増やす意味では極めて有用な装備です。

PETZL VASAK LLU(2019年から使用)

PETZL VASAK LLU PETZL VASAK LLUをアルパインブーツに装着
冬山登山用のクランポン(アイゼン)。アックス(PETZL GLACIER)と併せて導入しました。

非常に鋭い鉄製の12本爪と、雪の付着を防止するポリマー製のアンチスノープレートを装備。リンキングバーによって靴の大きさや形状に合わせた調整が可能です。もちろん冬山登山に対応する堅牢なアルパインブーツとの併用が前提。私が使用するMontura Vertigo Leather GTXは後コバを備えるため、セミワンタッチのLLUモデルを選びました。リンキングバーには左右を示す刻印がありますが、現地で素早く装着できるよう、蛍光テープで"L"と"R"のラベルを貼りました。

装着時は前方のフィルクレックスに合わせてブーツを乗せ、後コバにバックレバーを掛けます。後はレバーのストラップをフィルフレックスに通し、金具を通して折り返すと固定される仕組みです。接地の衝撃でずれることもありますので、装着時や休憩時にしっかり確認する必要があります。ストラップはグローブを嵌めた手に巻き付けて締め込む目的で、長めに作られています。長いからと言ってカットせず、余ったストラップはブラブラしないよう上手く巻いておきます。

上述したように私は冬山登山を始めたばかりのビギナーです。このクランポンの使用感を述べたり、性能を評価できるほどの経験や技術は持ち合わせておりません。繰り返しになりますが、装備を選ぶ際は必ずショップや経験者に相談し、使用方法の講習を受けてください。

RIPEN リジットアイゼンケース(2019年から使用)

RIPEN リジットアイゼンケース RIPEN リジットアイゼンケースにクランポンを収納
PVC加工された帆布製のケース。クランポン(PETZL VASAK LLU)の収納・携行に使います。

軽さよりも耐久性を重視した私好みの製品。PVC帆布はクランポンの鋭利な爪に耐えられるほど頑丈で、濡れたまま収納できる程度の撥水性を備えます。開閉には2箇所のサイドリリースバックルを使用。アジャスター付きなのでクランポンのサイズに合わせて締め込めます。クランポンを剥き出しで収納するのは抵抗があるので、念のためタオルに包みます。これなら外部に対する爪の攻撃性を緩和できますし、水分を吸う効果もあります。

RIPEN リジットアイゼンケースをザックに装着 RIPEN リジットアイゼンケースをザックに装着
ザックのボトルポケットに無理なく挿せるサイズ。タオルとPVC帆布でクランポンの爪が確実に保護され、鉄道やバスなどの交通機関を安全に利用できます。ここで言う保護とは、クランポン自体ではなく外部の設備や乗客を傷つけないという意味。クランポンの爪は特に攻撃性が高いため、安全な携行を心掛ける必要があります。クランポンを装着せずに山を歩く場合も、こうして携行すると安全なだけでなく、すぐに取り出して使用できるメリットがあります。

グローブ

Black Diamond Soloist Gloves(2019年から使用)

Black Diamond Soloist Gloves Black Diamond Soloist Gloves
厳冬期用のウィンターグローブ。アックスを用いる冬山登山のために導入しました。

グローブは防水用のシェルと保温用のライナーから構成。シェルの手の平は耐久性に優れるゴートレザーパーム、手の甲は防水透湿素材"Pertex Shield"。ライナーは防水透湿素材"BD.Dry"と保温材"PrimaLoft Gold"です。手首のストラップとドローコードはグローブを嵌めた片手で操作可能。シェルの内側には手首に掛けるリーシュ、またはザックに吊るして携行できるようにショックコード 3mmを取り付けました。まだ性能を体感できるほど使い込んでいないのが実情です。

アックス

PETZL GLACIER(2019年から使用)

PETZL GLACIER PETZL GLACIER
PETZL GLACIERのヘッド PETZL GLACIERのスパイク
冬山登山用のアックス(ピッケル)。クランポン(PETZL VASAK LLU)と併せて導入しました。堅牢なアルミ製のシャフトにステンレス製のヘッドとスパイクを備え、見た目がスマートで格好いいです。店頭で手に取ったところ、想像より遥かに軽くて驚きました。アックスの本来の用途は滑落停止でしょうが、普段はストック感覚で歩行補助に使うと思うので、一番長い75cmを選びました。

ピックとスパイクは雪に刺さりやすい形状。グローブを嵌めた状態でのグリップ性向上と、冷えた金属による凍傷防止の目的でラケットテープ(YONEX ウェットスーパーストロンググリップ)を巻きました。突き刺しを繰り返すうちに剥がれないよう、テープの縁には自己融着テープを巻いています。リーシュが付属し、基本的には左手首に掛けて使用。今のところスリングを使う予定はありません。

PETZL GLACIERにカバーを装着
PETZL GLACIERをザックに装着 PETZL GLACIERをザックに装着
アックスはザックの側面に装着して携行します。クランポンの爪ほどではありませんが、ヘッドとスパイクは金属製のため攻撃性が高いです。剥き出しの状態で鉄道やバスを利用するのは危険で非常識極まりないので、ヘッドカバー(Climbing Technology Head Cover)とスパイクカバー(Climbing Technology Spike Cover)を別途購入しました。これならアックスを安全に携行できます。

PETZL GLACIERを冬山で使用 PETZL GLACIERを冬山で使用
冬山登山の活動は始まったばかり。これから実用性の高い装備に頼って日本各地の霊山に登り、信仰に基づく歴史探訪の記事を充実させる予定です。

Climbing Technology Head Cover(2019年から使用)

Climbing Technology Head Cover Climbing Technology Head Coverをアックスに装着
樹脂製のヘッドカバー。本来はClimbing Technologyのアックス用ですが、PETZL GLACIERに装着します。軟質の素材なので他社製のアックスのピックとアッズにも嵌まりやすく、ショックコードとコードロックでしっかり保持できます。オレンジ色でよく目立ち、アックスを安全に携行できます。

Climbing Technology Spike Cover(2019年から使用)

Climbing Technology Spike Cover Climbing Technology Spike Coverをアックスに装着
樹脂製のスパイクカバー。これもClimbing Technologyのアックス用ですが、PETZL GLACIERに装着します。やはり軟質の素材なので形状の異なるスパイクにも嵌まりやすく、ショックコードとコードロックでしっかり保持できます。ヘッドカバーと同じく、安全に携行するための必需品です。

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