2022-01-22 改訂
様々な小物を撮影するための機材と実例。当サイトを作成する際に大活躍しました。
カメラ用品に定評のあるHAKUBAの撮影ボックス。Amazon限定商品です。
多種多様なアウトドア装備を紹介するサイトを立ち上げるにあたって、真っ先に導入した機材です。サイズは横幅440mm、高さ435mm、奥行き590mm。ベルクロを貼り合わせて組み立てる簡素な作りであり、使わない時は折り畳んで収納できます。高級感はありませんが、撮影ボックスに求められる機能は完璧に満たします。この製品のおかげで撮影が劇的に捗り、「GEARS」の開設に至りました。
上面に35灯x2列のLEDライトを備え、光束は530ルーメン。全面にアルミ箔が縫い付けられており、反射によって被写体を前や左右からも照らします。電源スイッチや明るさの調整機能は存在せず、上部から出たUSBケーブルを挿すとライトが点灯する仕様。PCの隣に設置して、PCから給電しながら小物撮影の作業を行うのに適します。ライトは明るく、長時間点灯すると熱を持つため注意が必要です。
背景シートはホワイト、ブラック、オレンジの3種類が付属。内部にベルクロで留める作りです。単色では面白味に欠けると思い、冬季迷彩(Multicam Alpine)の軽量ナイロン生地(Patriot Lite)を用意しました。折り畳んでホワイトの背景シートに固定しますが、かなり薄くてベルクロに弱い生地のため、慎重に取り扱います。スペアを含めて2枚買ったところ、撮影ボックス本体より高くつきました。
背景シートを取り付けてライトを点灯した状態。正面パネルには撮影用の小窓が設けられています。
ヘッドランプ(PETZL TACTIKKA XP)を小窓から撮影。メインカメラの役目を終えたコンデジ(RICOH G800)を使います。この写真では三脚に載せていますが、実際には全て手持ちで撮りました。照明が明るいので手ブレの心配は無用です。ISO100モードに設定し、ヒストグラムが右側ギリギリの状態になるよう露出を補正すると、装備の紹介に適した画質と明るさの写真を得られます。
小物撮影はPCの隣で行います。G800にはPCと連動するテザー撮影機能はありませんので、数種類撮ったらPCに入れて一番いい写真を選ぶ方式です。撮影ボックスを導入する前はデスクに広げた地図の上に小物を置き、部屋の電灯を光源にブレ気味の写真を撮る手法でした。それに比べると遥かに安定した環境で撮影できますから、テザー機能を備えないカメラでも作業効率は高いです。
撮影ボックスを用いたTACTIKKA XPの写真。満遍なく照らされて被写体の見栄えが良くなり、装備の細部や付属品など色々な紹介写真を用意できました。Multicam Alpineの生地はアウトドア装備らしい雰囲気を演出し、大成功だったと言えます。尚、明るい白色ライトには被写体の色彩を薄くする欠点もあり、実際の色合いとは異なった写真になります。TACTIKKA XPはもっと深みのあるOD色です。
被写体 |
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1枚目 | ESS Crossbow APEL |
2枚目 | ASAHI PENTAX SP |
3枚目 | EXPED Vista Organiser |
4枚目 | モンベル U.L.スタッフバッグ |
ボックス内部は十分な広さがあり、当サイトに掲載する装備の大部分が収まりました。
被写体 |
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1枚目 | Nalgene 16oz Wide Mouth Bottle |
2枚目 | Nalgene 16oz Wide Mouth Bottle |
3枚目 | イワタニ カセットガス ジュニアバーナー |
4枚目 | MINOLTA AF ZOOM 28-135mm 1:4(22)-4.5 |
縦構図で撮影した例。この向きでも余裕で収まります。
上面にも小窓があり、真上からライトで照らされた状態で書籍やDVDを撮影可能。例としてA5判の『東方茨歌仙』、A4判の『伏見稲荷大社』『宇治橋』を撮りました。後述するように、光沢のある表紙やパッケージの場合はライトの光が映り込んでしまうため注意が必要です。
撮影ボックスの代表的な用途は模型とフィギュアの撮影だと思います。ずっと昔に作った1/35スケールのLAVとT-72を置いて撮影してみました。戦車にベストなサイズです。
被写体 |
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1枚目 | Tengu Brand Beef Steak Jerky |
2枚目 | Cold Steel Peace Maker II |
上面のライトで被写体を照らす構造ですから、物によってはライトの光が映り込みます。私は小物を紹介できれば十分と考えており、照明の反射は気にせず掲載します。
「東方巡遊記」の記事執筆の参考にした『大江町誌』。白や黒の背景は文献の雰囲気に合わないと感じ、撮影ボックスに付属するオレンジの背景シートを使いました。アウトドア装備だけでなく、参考文献を提示する用途にも撮影ボックスを重宝します。
被写体 |
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1枚目 | NAR Compressed Gauze |
2枚目 | フィルムケース |
白地の背景で透明や白系の小物を撮影すると、背景に同化してしまいます。ブラックの背景シートを用いれば存在感を出せます。
被写体 |
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1枚目 | Black Diamond Soloist Gloves |
2枚目 | Black Diamond Soloist Gloves |
3枚目 | Montura Vertigo Leather GTX |
4枚目 | 90TK(マインローラ装備) |
被写体が大きい場合は正面パネルを開けて撮影できますが、あまりにもオーバーサイズだと左右のアルミ箔が映り込み、写真としての見栄えは悪くなります。撮影ボックスに収まらない大型装備については、後述の背景シートを用います。
撮影環境 |
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1枚目 | 撮影ボックス |
2枚目 | 室内灯 |
3枚目 | 自然光 |
4枚目 | 自然光 |
撮影ボックス、部屋の電灯、実際の使用環境で撮影したTACTIKKA XP。上述したように撮影ボックスのライトは被写体の色彩を薄めてしまう効果があります。室内灯は暗すぎて論外。やはり屋外が最も自然な写りになります。流石に大量の小物を屋外に持ち出して撮るのは大変ですから、自室で効率よく作業できる撮影ボックスが一番便利です。
撮影ボックスに収まらない大型装備を撮る手段。冬季迷彩(A-TACS AT-X)の丈夫なナイロン生地(CORDURA 500D)を用意して、部屋の中に背景シートとして設置します。室内灯は撮影の照明とするには暗く、手ブレが起きやすいため三脚(SLIK 450G-7)が必須。ヒストグラムを確認して露出を補正します。専用の照明もディフューザーも使わない簡易的な手法ですが、最低限の実用性はあります。
被写体 |
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1枚目 | deuter FUTURA 32、Streamlight Sidewinder Military |
2枚目 | SLIK エアリー M100、MINOLTA α-7700i |
3枚目 | モンベル スノーポン |
4枚目 | PETZL GLACIER |
斜め上から照らされて影が生じるものの、装備紹介に耐えうる画質と明るさの写真が得られます。白地の冬季迷彩はアウトドア装備全般に合い、単色の撮影シートより格段に雰囲気が良くなります。サイトの作成を企画するとともに撮影ボックスと背景シートを導入し、1ヶ月かけて全ての撮影作業を終えることができました。