2023-01-04 改訂
アウトドア装備の使い勝手を向上する多様な小物。細部を改良して装備全体の実用性を高めます。
自転車と徒歩の旅に使うアウトドア製品は、豊富な機能を備えた一つの完成品です。自転車に積載する自転車用バッグ、自分で背負うザック、その中に収納するパッキング用品や野宿セットなどの各種機材…当サイトに掲載する全ての旅道具は、市販の状態でツーリングやバックパッキングに使えるようデザインされています。どれも優れたアウトドア製品であり、しっかり整備すれば長く使い続けられるものばかりです。
とはいえ、旅を続けていると装備の欠点にも気付きます。そのまま使っても不便なだけですから、足りない機能や使いにくい箇所は別売のパーツで補完し、自分のスタイルに基づいてザックやツールを改良することになります。特に不満のない箇所にもアップグレードの余地はあり、細部の改良によって装備全体の実用性を大幅に向上できます。操作性や視認性など色々な目的から改善を行い、最高に使いやすい装備を追求します。
改良用のパーツは多種多様です。小物を吊るすカラビナを始め、交換用のバックル、装備を括り付けるストラップ、端末処理のクリップ、脱落防止のランヤード、引きやすいジッパープル、よく目立つテープなど、あらゆるタイプの小物があります。私は信頼性の観点からMIL-SPECパーツを多用し、その有効性は旅の中で実証済み。このページでは装備の改良に用いたパーツをほぼ網羅。一種のデータベースとして紹介します。
アルミ製のカラビナ。ザックのストラップにぶら下げる定番のアクセサリーです。
アウトドアメーカーのロゴが入った製品もありますが、基本的にノーブランド。アクセサリーらしく様々な色・形状・サイズが流通しており、銀色で大型のカラビナはよく目立ってザックのアクセントになります。用途としては手袋や熊鈴を吊るす、ザックにバッグやポーチを外付けする、装備同士を接続するなど色々。クライミング用品ではないため極端な荷重には耐えられず、登攀に使用できないことを示す"NOT FOR CLIMBING"の刻印があります。
アルミ製とはいえ金属の重みがあり、大きいカラビナは嵩張るのも事実。ザックに取り付けるといってもストラップに掛けるだけですから、行動中に揺れやすく、他の装備に当たってガチャガチャ音を立てるのが気になる感じ。カメラ等の樹脂製品を傷付ける恐れもあります。樹脂製で軽量かつ機能的なITW Nexus GrimLoc、Tac Linkを使い始めてから、大型のアルミ製カラビナは姿を消しました。
小型のアクセサリーカラビナが便利なことに変わりはなく、御守りやキーホルダー等を掛けてバッグに取り付ける用途では現役。コイルランヤードやショックコード 1/8"のフックとして使う機会も多いです。但し、小型のカラビナはゲートのバネが弱く、何かに当たった拍子にゲートが開いて紛失する可能性があります。大切な小物を失くさないよう、スライドロックを備えたものを選びます。
アセタール樹脂製のDリング。アクセサリーカラビナに替わる革新的なアイテムです。
本来はMOLLE/PALSウェビングに取り付ける軍隊向けのMIL-SPECパーツ。ボディアーマーやバックパックに小物を吊るす用途に最適です。タクティカルギアの1インチ(25.4mm)ウェビング用とするも、一般的なアウトドア用ザックの25mmまたは20mmストラップにも装着可能であり、アクセサリーカラビナと同じ用途に使えます。樹脂製といっても強度は申し分なし。極端な荷重には耐えられないことを示す"NON LOAD BEARING"の刻印があります。
ワンプッシュで開閉できるのが最大の特徴。グローブを嵌めた状態でも操作しやすく、閉じたフックは確実にロックされるから小物を失くす心配はありません。アルミ製のカラビナより軽く、ストラップに固定する方式のため、行動中に揺れず他の装備に当たって音を立てないという利点もあります。コンパクトながら機能性に優れており、現場のニーズを完璧に満たすGrimLoc。その実用性はアクセサリーカラビナを遥かに上回ります。
ザックのショルダーハーネスに装着。手袋やストックを吊るす用途だけでなく、ハイドレーションパックのチューブの固定にも適します。GrimLocの使い勝手の良さを知ると、もうアルミ製のカラビナには戻れません。ショルダーハーネスに一つあるだけで旅の中の利便性が大幅に向上しますから、全てのザックに取り付けて活用します。
アセタール樹脂製のタクティカルなアクセサリーカラビナ。同サイズのアルミ製カラビナより軽量であり、他の装備に当たっても音を立てず、カメラ等の樹脂製品を傷付けないのが利点です。極端な荷重には耐えられませんが、アクセサリーとしては余裕の強度。ザックに取り付けて小物を吊るす用途なら、上述のITW Nexus GrimLocのほうが便利ではあります。
モンベル ランバーパックボトルケージ、MAGFORCE PDA Pouchをザックのショルダーハーネスに装着。カラビナで吊るすと適度な前傾状態になり、行動中にボトルやコンパスを取り出しやすいです。大型の割には軽く、こういった用途にはTac Linkが適します。尚、カラビナだけではポーチがブラブラしますから、下部はベルクロストラップで固定します。
アイウェアのハードケース(ESS MOLLE Hard Case)、IFAKポーチ(5.11 UCR IFAK Pouch)のフックとして。ザックに掛けて小物を吊るすだけではなく、ポーチ本体をベルト等に吊るして携行する用途にも適します。ポーチをザックのボトルポケットに挿す場合は、ストラップに掛けることで脱落防止になります。普通のアクセサリーカラビナより信頼性が高く、破損・脱落の心配は要りません。
Tac Linkの応用的な使い方。本来はショルダーバッグであるMAGFORCE Humberg 10"x8"をウェストバッグに改造する際、ウェストベルトの基部にしました。バッグ側面のMOLLEウェビングにTac Linkを装着し、2インチ(50.8mm)のストラップを通してトライグライド(ITW Nexus Standard Triglide 2")で固定する方式です。HumbergをMIL-SPECパーツで統一するにはベストな選択だったと思います。
ガラス繊維強化ナイロンのアクセサリーカラビナ。S字型故に"エスビナ"と呼ばれます。一般的なアクセサリーカラビナはゲートが1箇所だけあり、ザックに吊るした状態で小物を掛けて使うことしかできません。このカラビナはS字型でゲートが2箇所にあるため、両側に引っ掛けて使いたい場合に効果を発揮します。
小型から大型まで各種サイズが用意されており、同サイズのアルミ製カラビナより軽量。他の装備に当たっても音を立てず、カメラ等の樹脂製品を傷付けないのが利点です。極端な荷重には耐えられませんが、アクセサリーカラビナとしての強度は十分。私は#4を用いてザックにロールマット(Therm-a-Rest RidgeRest SOLite S)を装着。ザック側のストラップと、ロールマットに巻いたエラスティックストラップまたは蛍光反射アームバンドを繋ぎます。
S-Binerのゲートは一般的なカラビナと異なりバネが内蔵されず、ゲート自体がバネとして機能する仕組みです。装備同士を接続するなど、両側にテンションが掛かった状態で使うなら問題になりません。しかしザックに小物を吊るすだけとか、ランヤードのフックとして使う場合は、何かに当たった拍子にゲートが開いて脱落する恐れがあります。#4より小型のNite Ize S-Biner Stainless #2で小物を紛失したこともあり、個人的には確実にロックされるITW Nexus GrimLocのほうが好みです。
ステンレス製のアクセサリーカラビナ。上述のNite Ize S-Biner Plastic #4と同様の特徴があります。耐荷重は10lb(4.5kg)。小型でキーホルダーとしての用途に適します…と言いたいところですが、このサイズはゲートのバネが弱く、簡単にゲートが開いてしまいます。以前、#2に掛けていた御守りを山中で紛失した事案があり、二度と小物は吊るさないと決めました。その用途にはスライドロックを備えた小型のアクセサリーカラビナのほうが安全です。
S-Biner Stainless #2をテント(モンベル ステラリッジテント 1型)
の張り綱に使用。設営のたびに張り綱をインナーテントに結ぶのは面倒ですから、長さを調整した上で端末にS-Binerを結び付けました。キーホルダーとしての信頼性は皆無ですが、この用途なら両側にテンションが掛かるため外れる心配無し。ステンレス製のため耐候性にも優れます。耐荷重は4.5kgしかありませんので、強風が予想される環境では使わないほうがいいです。
アセタール樹脂製のサイドリリースバックル。38mmのストラップに対応します。
ウェストバッグやザックは、ウェストベルトのサイドリリースバックルを締めて腰に装着します。ザック本体の開閉や側面のストラップにもバックルを備え、そのデザインは多種多様です。アウトドア用のザックは市販の状態でも頑丈なバックルを備えますが、中には嵌め合わせが異様に固かったり、変わった形状で開閉に一癖あるバックルを採用した製品もあります。操作性が劣るバックルを使い続けても不便なだけですから、そのような場合はバックルを交換します。
TDSRは数あるサイドリリースバックルの中でも最も無難なデザインです。特別に操作性が優れるわけではないものの、適度に丸みを帯びてボタンを押しやすく、太いセンターバーで差し込みやすく、ガチッと嵌まります。軽量化の肉抜きが施されていないため耐久性も高いです。また、オス・メス両側にアジャスターを備えておりストラップの長さを調整できます。堅牢で開閉しやすく、ウェストベルト用としては最適なバックルと言えます。
ウェストベルトの既存のバックルはトライグライドまたは縫い付けで保持されています。前者(Mountainsmith Swift TLS)ならトライグライドを外してバックルを交換するだけ。後者(MILLET GRAND CAPUCIN 75+)なら縫い付け箇所を解くかカットしてバックルを交換し、縫い付ける代わりにトライグライドを取り付けます。TDSR38と併用したトライグライド(YKK LA38S)は以下で紹介します。
アセタール樹脂製のトライグライド。38mmのストラップに対応します。
トライグライドはストラップの長さを調整可能で、緩み止めにもなるパーツです。ストラップにバックルを取り付ける際、縫い付ける代わりにトライグライドを入れてストラップを折り返し、保持することができます。上述したように、LA-Sはウェストベルトにサイドリリースバックル(NIfCO TDSR38)を入れ替えるために使いました。ウェストベストのストラップ調整機能を片側だけにしたい場合、一方にトライグライドを入れて長さを固定する方法もあります。
アセタール樹脂製のサイドリリースバックル。2インチ(50.8mm)のストラップに対応します。
本来はショルダーバッグであるMAGFORCE Humberg 10"x8"をウェストバッグに改造する際、ウェストベルトのバックルに選びました。アジャスターはオス側のみ。角張ったデザインで差し込み感はNIfCO TDSR38より固めですが、かなり堅牢で信頼性は高いです。メス側をストラップに固定するトライグライドはITW Nexus Standard Triglide 2"を使用。MIL-SPECパーツで統一する目的があったので、このバックルで満足しています。
アセタール樹脂製のトライグライド。2インチ(50.8mm)のストラップに対応します。
トライグライドの機能はYKK LA38Sと同じ。上述したように、MAGFORCE Humberg 10"x8"にウェストベルトを追加するパーツとして使いました。3個のトライグライド用意して、ストラップを通すカラビナ(ITW Nexus Tac Link)、サイドリリースバックル(ITW Nexus GTSR 2")のメス側を固定。トライグライドを剥き出しにすると不格好なので、ストラップの抜け防止を兼ねてエラスティックキーパーを被せます。
アセタール樹脂製のサイドリリースバックル。1インチ(25.4mm)のストラップに対応します。形状はNIfCO TDSR38、ITW Nexus GTSR 2"に似ており、滑らかな差し込み感が特徴です。deuter Sped lite 26のウェストベルトのバックルが気に入らず、Mojaveに交換して満足しました。
アセタール樹脂製のクリップ。ストラップの端末処理に使います。
ウェストバッグやザックのストラップは調整の余裕を持たせて長めに作られており、普通にパッキングするとストラップが余ります。そのまま垂らしても特に支障はありませんが、行動中にブラブラして煩わしく感じるため、余ったストラップは遊ばないようにまとめるのが理想的です。端末処理にはストラップを丸めてベルクロバンド、エラスティックキーパー、ビニールテープでまとめる手法があるものの、パッキングの際に開放して長さを調整しにくい欠点があります。
このクリップはストラップに取り付け、余った部分を引っ掛けるだけで簡単に端末処理が可能です。パッキング状態のザックの見た目がスマートになり、行動中にブラブラすることもありません。ザックを開けて再パッキングする場合でも、ストラップの長さを容易に調整できます。アウトドア用ザックに使われる20mm、25mm、38mm、50mmのストラップに対応するクリップが用意されており、あらゆる箇所に適用できます。
ウェストバッグ(MAGFORCE Humberg 10"x8")、デイパック(Lowe Alpine Vector 25)、大型ザック(MILLET GRAND CAPUCIN 75+)。全てのバッグ及びザックのストラップに取り付け、スマートなパッキングと端末処理を行います。このクリップはパッキングの必需品です。
アセタール樹脂製のクリップ。ストラップを連結するパーツです。タクティカルギアの1インチ(25.4mm)ストラップ用とするも、一般的なアウトドア用ザックの25mmまたは20mmストラップに装着可能。スナップ式のクリップで2本のストラップを連結できるため、ザックにバッグやポーチを外付けする用途に使えます。MOLLE仕様のポーチをMOLLE非対応のザックに装着する場合に便利です。
アセタール樹脂製のクリップ。ハイドレーションパックのチューブを固定するパーツです。台座は20mmと25mmのストラップに対応しており、ザックのショルダーハーネスに装着できます。クリップの角度は45度刻みに変更可能。適度な保持力があり、チューブを脱着しやすい一方で簡単に抜けることもありません。ショルダーハーネスにチューブを固定する用途には最適のクリップですが、ITW Nexus GrimLocでも代用は可能です。
カムバックル付きのナイロンストラップ。自転車用フロントバッグ(オーストリッチ F-702)、パニアバッグ(オーストリッチ P-225)の付属品だったものを、ザックの天蓋にタオルやジャケットを括り付けるストラップに転用しました。薄型故、バックルを開放した際に天蓋のループから抜けやすく、ストラップを通すときに表裏が分かりにくい欠点もあります。ナイロンストラップ 20mm + NIfCO SR20、ショックコード 1/8"に切り替え、今ではフロントバッグの取り付け専用です。
サイドリリースバックルとトライグライド付きのナイロンバンド。ザックの天蓋にジャケットを括り付ける用途に使います。25mmではバックルが天蓋のループを通らないため、適度にコンパクトな20mmがベストです。市販の状態ではストラップが長すぎ、ジャケットに合わせた長さにカットしました。サイドリリースバックルは脱着しやすくて便利です。
サイドリリースバックル付きのナイロンストラップです。自転車(TOEI スポルティーフ)を輪行バッグ(オーストリッチ L-100)に入れて鉄道を利用する際、手すりに掛けて転倒防止とします。このサイドリリースバックルはアジャスターを備えているため、締め込むと自転車が確実に固定されます。市販の状態ではストラップが長すぎ、手すりに掛ける程度の長さにカットしました。
ベルクロ付きのストラップです。ザックのショルダーハーネスに各種ポーチ(モンベル ランバーパックボトルケージ、MAGFORCE PDA Pouch)を装着する際、クリップ(Duraflex Siamese Slik Clip)やカラビナ(ITW Nexus Tac Link)で吊るすだけではブラブラします。ポーチの下部にベルクロストラップを通してハーネスに巻くと確実に固定され、行動の妨げになりません。
自転車用パニアバッグ(オーストリッチ P-225)を自転車のキャリアに固定する用途にも使用。付属のストラップ(ナイロンストラップ 20mm + NIfCO ST20)より抜けにくいです。脱着時に取り付け箇所が分かりやすいよう、赤色のストラップを使います。
スノーシューとクランポン(モンベル スノーポン)に使用。スノーシューを抱き合わせてザックに装着する用途のほか、行動中にクランポンのバンドがずれないよう固定する役割があります。旅先で何かを結束する場合にも便利なので、スペアを数本用意しています。
Dリング(Duraflex Heavy Duty D-Ring)付きのナイロンパーツです。
1インチ(25.4mm)のMOLLEウェビングに最適化されており、ボディアーマーやポーチにDリングを追加できます。トラウマシザー等のコイルランヤードを掛けて脱落防止にする、ビニールテープを携行するなど使い方は色々。1インチ用とするもアウトドア用ザックのストラップやトレッキングパンツのベルトにも適します。私はナイフ(Cold Steel Super Edge)のシースを結束バンドでDリングに固定し、1.5インチ(38.1mm)のベルト(5.11 1.5" TDU Belt)で携行する方式が気に入っています。
20mmのベルクロテープ。テントのポールを束ねる用途に使います。
ベルクロテープは汎用性が高く、ザックの余ったストラップをまとめる、ロールマットやバッグを外付けする、配線を束ねるといった使い方があります。その一方で、剥き出しのベルクロはジャケット等のウェアに引っ掛かりやすく、行動中に枯れ草や砂塵が付着しやすい欠点を持っています。ストラップの端末処理ならDuraflex Quik-Slip Keeper、ロールマットの外付けは蛍光反射アームバンドで間に合っており、ポールの結束ぐらいしか出番がないのが実情です。
1インチ(25.4mm)のベルクロテープ。本場のベルクロとしてタクティカルギアの結束や端末処理に多用されます。上述のモンベル フリーロックストラップと同じ理由で、ほぼ出番はありません。
2インチ(50.8mm)ストラップに対応するゴムバンド。トライグライドの保護カバーとして使います。
本来は余ったストラップを束ねる端末処理用のパーツ。各種サイズが用意されており、ストラップ上のトライグライドに被せる使い方もあります。MAGFORCE Humberg 10"x8"にウェストベルトを追加する際、ストラップの固定に用いたトライグライド(ITW Nexus Standard Triglide 2")を剥き出しにすると不格好なので、ストラップの抜け防止を兼ねてエラスティックキーパーを被せました。
1.25インチ(31.75mm)ストラップに対応するゴムカバー。ライフルスリングのバックルやフックに被せて、保護や静音効果を得るためのパーツです。タクティカルなカメラストラップ(ECHO NiNER Original Camera Strap Ver.2、Dee lux Camera Strap)のサイドリリースバックルに被せて使います。
両端にベルクロが付いた40mm幅のゴムバンド。ロールマット(Therm-a-Rest RidgeRest SOLite S)を束ねる用途に使います。カラビナ(Nite Ize S-Biner Plastic #4)を掛けてザックに外付けするのも便利ですが、マットを剥き出しで携行するとボロボロになります。最近はマットをエラスティックストラップで束ねてスタッフバッグに入れ、蛍光反射アームバンドとカラビナでザックに装着する使い方が主流です。
高強力ポリエチレン製の3mmコード。引っ張り強度に優れ、張り綱としての用途に適します。私はコードロック(ITW Nexus Zipcord)と組み合わせてザックやポーチのジッパープルに使用するほか、補修・縛着用のコードとして携行します。行動中に大型ザック(MILLET GRAND CAPUCIN 75+)のチェストストラップが破損した際は、このコードで補修しました。旅先で何かあったときのために2mぐらい用意すれば必ず役に立ちます。
高強力ポリエチレン製の3mmコード。モンベル 張り綱 3mmと同じく引っ張り強度に優れ、張り綱としての用途に適します。反射材が織り込まれており、テントのペグに結ぶとヘッドランプで照らして見つけやすく、ループに指を掛けて引き抜きやすいです。端末にフック(NIfCO GS7)を結び、コンパス(SILVA No.3)のランヤードとしても使います。
ノーブランドの2.5mmコード。蛍光イエローのコードに反射材が織り込まれ、視認性に優れます。2.5mmという径は太すぎず細すぎず、ザックやオーガナイザーのジッパープルに最適なサイズです。表面がザラザラしており、スタッフバッグのドローコードに使う場合は多少の引っ掛かり感あり。引っ張り強度は不明。メーカー製のコードよりは劣ると思います。
ツーリングやバックパッキングでは暗がりで野宿することが多く、ジッパープルやドローコードが目立つのは大きなメリットです。コードエンド(ITW Nexus Zipcord)、コードロック(ITW Nexus GTSP Cordloc)との組み合わせで視認性と操作性が格段に向上するため、殆どのジッパープルとドローコードを蛍光反射コードに交換しました。ライト(GENTOS RX-032D)のランヤード、テント内の物干しロープなど、用途は多岐にわたります。
ザックにロールマット(Therm-a-Rest RidgeRest SOLite S)や三脚(SLIK 450G-7)
を外付けする場合、必ず脱落防止としてスタッフバッグのドローコードをストラップやカラビナに掛けます。ドローコードが目立つと掛け忘れが起こりにくく、確実に脱落防止を実施できていると視認できます。各種ツールやスタッフバッグを一時的に掛けて携行する際にも分かりやすいです。
ナイロン製のコード。パラシュート用に開発された経緯があり、引っ張り強度に優れます。
パラコードの規格や種類については割愛。スリーブの中に7本の芯がある直径5/32インチ(約4mm)、引っ張り強度550lb(約250kg)のパラコードが最も標準的であり、現場では脱落防止に使用されます。私は耐久性が求められるコンデジ(RICOH WG-6)やライト(Streamlight Sidewinder Military)等のシンプルなストラップとして活用。MIL-SPECのコードエンド(ITW Nexus Zipcord)、コードロック(ITW Nexus GTSP Cordloc)と組み合わせます。尚、ポーチのタブにパラコードを結ぶとループに指を掛けて素早く開放できます。
ナイロン製のコード。直径は3/32インチ(約2.4mm)です。上述のパラコード 5/32"(約4mm)よりも強度が落ちる代わりに取り回しやすく、脱落防止のランヤードに特化されたコードと言えます。カメラのレンズキャップのランヤード、あるいは携帯電話やライト等のランヤードループに使います。
伸縮性に優れるランヤード。一部の業界では装具の脱落防止に多用します。
ポリウレタン製のコイルの両側に金属製のフックを備え、マルチツール(Leatherman Wave)やトラウマシザーをポーチに接続可能。コイルはよく伸びるため、ランヤードが付いた状態でもツールを自由自在に使用できます。大した引っ張り強度は持たないと思いますが、簡単に破断するほど柔い作りではありません。このランヤードで繋いでいる限り、ツールを紛失する可能性は皆無に等しいです。ちなみに、現場では短いコイルランヤードでビニールテープを携行する手法があります。
使用頻度の高い財布、カード入れ、自転車の鍵など、コイルランヤードが効果を発揮する箇所は色々あります。但し、ポーチの周辺でコイルがブラブラして嵩張るのも事実。財布やライトの脱落防止にコイルの過剰な伸縮性は必要ないと気付き、もっとスマートなランヤードとしてショックコード 1/8"に切り替えました。マルチツールやトラウマシザー用としてはコイルランヤードが現役です。
1/8インチ(約3.2mm)のゴム紐。耐久性が高く脱落防止のランヤードに適します。
端末に金属製フックまたは樹脂製フック(NIfCO GS7)を結んでコイルランヤード風に。特に使用頻度の高い財布(モンベル ジップワレット)、カード入れ(PILOT PP01-75)のほか、ライト(Streamlight Sidewinder Military)や携帯電話(京セラ TORQUE X01)にも取り付けます。このような脱落防止にコイルの冗長性は求めませんので、取り回しに必要な最低限の長さでランヤードを作成。コイルランヤードをぶら下げるよりも格段にスマートです。
適度な伸縮性を活かし、眼鏡(i-ATHLETE LCG-506)とバリスティックアイウェア(ESS Crossbow APEL)のストラップに使用。後者にはショックコードを絞ってアイウェアのフィット感を上げるコードロック(ITW Nexus GTSP Cordloc)、コードロックの抜け防止のスカルビーズを追加しました。MIL-SPECパーツの統一感と実用性を兼ね備えます。
ショックコード、コードエンド(ITW Nexus Zipcord)、コードロック(ITW Nexus GTSP Cordloc)を組み合わせたストラップ。ザックの天蓋にタオルや三脚を括り付けます。耐久性が高いので、天蓋のループや後面のデイジーチェーンに装備を外付けする用途にも最適。コードロックをしっかり絞れば脱落防止になります。このゴム紐はパラコード 5/32"以上に便利です。
ノーブランドの3mmゴム紐。ショックコード 1/8"ほど高品質ではありません。
グローブ(ISUKA ウェザーテック ライトオーバーグローブ、Black Diamond Soloist Gloves)のリーシュ、スパッツの留め具に使用。泥や雪が付着すると固まって整備しにくくなるため、スパッツ用のショックコードは熱収縮チューブで保護します。安価なので、ゴムが伸びれば気軽に交換できるのが利点と言えます。
ナイロン樹脂製のコードエンド。コードの端末処理とジッパープルを兼ねたパーツです。
コードの端末を挟み込んでジッパープルとして機能するのが特徴。十分な強度があり、適度な大きさで両面には滑り止めを備えているため、グローブを嵌めた状態でもジッパーを引きやすいです。挟み込むコードの直径は3mmに最適化されており、上述した各種コードのうちパラコード 3/32"(約2.4mm)は細すぎて使用不可。パラコード 5/32"(約4mm)は太すぎ、中の芯を切れば閉じられます。一度閉じるとロックされて簡単には外れない構造ですが、こじ開けて再利用することも一応可能です。
Zipcordをザック(MILLET LD ODYSSEE 45)のジッパープルとして使用。蛍光反射コード 2.5mmとの相性が良く、ジッパープルを交換すると視認性と操作性が格段に向上します。バックパッキングでは暗がりで野宿することが多いため、ジッパープルが目立ち、引きやすいのは大きなメリットです。また、ジッパープルを交換する際に既存の引き手を切除してスライダーに直接取り付けることで、金属パーツを減らして僅かに軽量化・静音効果を得られます。
ウェストバッグ(MAGFORCE Humberg 10"x8")のジッパープルに使用。既存のパラコードにZipcordを取り付け、MIL-SPECパーツの統一感と実用性を両立させました。こういった地味な改良によってバッグ内の地図や小物が取り出しやすくなり、旅先で素早い行動が可能になります。
眼鏡ケース、ポーチ、オーガナイザーなど、ザック内のパッキング用品のジッパープルも交換します。既存の小型・薄型のジッパープルよりも遥かに開閉しやすく、殆どのジッパープルをZipcordと蛍光反射コードの組み合わせに換えました。寒い環境で指先がかじかんでいても摘みやすいです。
加水分解したジャケットのジッパープルをZipcordに交換。滑り止めのおかげでウィンターグローブを嵌めていても引きやすく、特に冬用のウェアと相性が良いです。操作性だけでなく耐久性にも優れており、今のところ加水分解の気配はありません。
ライト(GENTOS RX-032D)、シグナルミラー(SOL Rescue Flash Sgnal Mirror)のランヤードの端末処理として。カットした端末を結ぶよりも強固であり、コードエンドを摘んでポーチ内から引き抜きやすくなります。このパーツは全てのコードにおいて効果的です。
アセタール樹脂製のコードロック。コードの長さを調整するスライダーです。
ボタンを押し込んでコードを開放する仕組みは一般的なコードロックと同じ。ボタンに滑り止めを備え、グローブを嵌めた状態でも掴んで操作しやすいです。コードエンド(ITW Nexus Zipcord)と同じく十分な強度があって適度な大きさ。閉じた状態ではコードを確実にロックします。挟み込むコードの直径は4mmに最適化されており、上述した各種コードのうちパラコード 3/32"(約2.4mm)は細すぎて使用できません。
GTSP Cordlocの主な用途はスタッフバッグのドローコードです。併用する蛍光反射コード 2.5mmは表面がザラザラしており、多少の引っかかり感があるものの、既存の小さいドローコードよりも確実に操作性が向上します。クッカー、レインウェア、ヘッドランプ、三脚など、あらゆるスタッフバッグのドローコードをCordloc、Zipcord、蛍光反射コードの組み合わせに交換しました。
ストラップのスライダーとしても実用的。コンデジ(RICOH WG-6)ではパラコード 5/32"、バリスティックアイウェア(ESS Crossbow APEL)ではショックコード 1/8"を通します。しっかりロックされて行動中に緩むことがなく、滑り止め付きのボタンを押し込めば容易に長さを調整できます。装備の利便性が格段に上がり、小さいパーツながらも大きい効果を得られます。
アセタール樹脂製のコードロック。機能はITW Nexus GTSP Cordlocと同じです。ボタンに滑り止めを備えない代わりに、摘んで押しやすいよう上下が窪んだ形状になっています。デイパック(Lowe Alpine Vector 25)に背面パネル(汗とおる君)を装着する際、既存の紐とコードロックをショックコード 1/8"とEuroに交換しました。ショックコードを固定するためだけの用途です。
アセタール樹脂製のコードロックです。楔をスライドさせてコードを保持・開放する仕組みで、直径は3mmに最適化されています。パッキング時に操作しやすくなると思って中型ザック(MILLET LD ODYSSEE 45)のドローコードごと入れ替えてみましたが、あまり効果は得られませんでした。普通のコードロックで十分です。
アセタール樹脂製のフック。ランヤードの端末に結んで使います。
金属製フックを備えるコイルランヤードを置き換える目的で採用。ショックコード 1/8"の端末に結んで脱落防止のランヤードとします。金属製よりも薄型で嵩張らないのが利点であり、脱落防止を担うフックとしての強度も申し分なし。ライト(Streamlight Sidewinder Military)や携帯電話(京セラ TORQUE X01)のランヤードに最適です。ゲートはかなり固く、カラビナほど大きくは開きません。直径3mmぐらいのコードやループへの脱着に適します。
コンパス(SILVA No.3)とポーチ(戦人 コンパスケース)を繋ぐランヤードに使用。モンベル リフレクティブ張り綱 3mmの端末に結び、ポーチ側のDリングに掛けます。上述したようにGS7のゲートは固く、Dリングに掛けた場合はゲートを横に拗じらなければ外れません。逆に言うと、頻繁に脱着しないのであれば確実に保持されて安心、ということです。
フィルム入れとして使うモンベル スタッフバッグのドローコードに追加。ザックのショルダーハーネスに装着したITW Nexus GrimLocに吊るして携行します。GS7はGrimLocとの相性が良く、行動中にブラブラ動きにくいです。軽量コンパクトで丈夫なため、ランヤードだけでなく小物を吊るす用途にも有効です。
蛍光反射コード 2.5mmの両端に結んで物干しロープに。テント内外のループに掛けて、衣類を干す用途に使います。小型のコードロックを入れて長さを調整可能にすれば、もっと汎用性が高くなりそうです。
コードに通す玉。タクティカルギアに似合う髑髏型です。ショックコード 1/8"とコードロック(ITW Nexus GTSP Cordloc)を用いてバリスティックアイウェア(ESS Crossbow APEL)のストラップを作った際、コードロックの抜け止めとして使いました。パラコード 5/32"に通せば良いアクセントになると思います。
アセタール樹脂製のジッパープル。スライダーの引き手に取り付けて使います。
ITW Nexus Zipcordと同じアセタール樹脂とするも、ゴムのような柔らかい質感。指で摘みやすい絶妙な形状にデザインされており、素手でジッパーを開閉する際のフィット感・グリップ性に優れます。もちろん強度的には問題なく、すぐに劣化して切れる細紐のジッパープルより耐久性があります。取り付け部のループが細いため、スライダーに直接装着すると抜け落ちる可能性あり。引き手への取り付けが推奨されます。
財布(モンベル ジップワレット)とデイパック(Lowe Alpine Vector 25)のジッパープルを交換。硬い素材のZipcordと比較すると、こちらは日常的に使う箇所に適します。摘みやすい形状が大きな効果を発揮して、ジッパー開閉の操作性が著しく向上。特に財布の場合、ジッパープルを掴んでポケットやバッグから引き出しやすくなる効果があります。
蛍光イエローのテープ。視認性に優れ、装備を目立たせる効果があります。
自分の装備であることを示すマーキングとして、ストック(モンベル 2-Wayグリップ アンチショック)やアックス(PETZL GLACIER)に巻くのが定番の使い方。ザック内のバックルや、ジャケットを括り付けるストラップ(ナイロンストラップ 20mm + NIfCO SR20)に貼るとパッキングの際に目立ちます。以前はザックのジッパープルにも貼りましたが、この用途は蛍光反射コード 2.5mmに置き換えました。
視認性の高さを活かし、ライト(GENTOS RX-032D、TTR-06BK)、三脚(HAKUBA eポッド2、SLIK 450G-7)、テントのペグに巻きます。蓄光・反射機能は備えませんが、蛍光イエローは薄暗い環境で浮いて見えます。地面に置いた状態ではよく目立ち、小物から大物まで把握が容易に。特に防災用ライトの場合、非常時に見つけやすいのは大きな強みです。
応用的な使い方として、カメラ(MINOLTA α-7700i)のレンズの嵌め合わせ位置を表示。ゲイター(Outdoor Research Crocodile Gaiters)やクランポン(PETZL VASAK LLU)の左右を示すラベルにも使います。小さく切っても目立つので、位置や左右をひと目で把握して素早い装着が可能に。蛍光テープは視認性だけでなく、操作性の向上にも有効です。
再帰反射機能を備えるテープ。ライトで照らすと反射して光ります。
ツーリングでは交通量の多い車道を走ります。自転車は圧倒的に無力な存在ですから、少しでもドライバーから目立つよう視認性向上の工夫が欠かせません。ヘルメット(BELL SLANT)のバイザーと後頭部、フロントバッグ(オーストリッチ F-702)やパニアバッグ(オーストリッチ P-225)のサイドリリースバックルに反射テープを貼ると、後続の車のライトにピカピカ反射して視認されやすくなります。バックパッキングも同様であり、貼れそうな箇所にはとりあえず貼るスタイルです。この用途は反射材のページで紹介します。
夜間撮影用の三脚(SLIK エアリー M100)に巻きました。テープの固さで剥がれないよう、自己融着テープを縁に巻いて固定します。近くに光源のない場所で撮影する際、ヘッドランプの光に反射してカメラの位置が容易に把握可能。昼間の市街地でもカメラの存在が目立ち、安全性が高まります。
普通の絶縁テープ。汎用性が高く、装備の固定や補修に適します。
一部の業界では黒いビニールテープを"ブラックテープ"(略してブラテ)と称し、銃の部品の脱落防止、装具のストラップの端末処理、擬装用の枝葉の結束、ライトの遮光といった目的で常用。個人装備に欠かせないテープとして買い溜めします。短いコイルランヤードを通してサスペンダーに吊るす、あるいは戦人 Dリングでポーチやバックパックのウェビングに取り付けて携行すると、現場で使いやすくて便利です。
ビニールテープはアウトドアでも活躍します。ツーリングでは走行中の振動や衝撃による機材トラブルが多々あり、サイクルコンピュータのセンサーがずれて反応しない、サイコン本体やテールライト(AKSLEN TL-110)がアタッチメントから外れる、稀な例ではフェンダーが疲労で破断する、といった事案が起きます。テープを巻けば絶対に脱落することがなく、破断箇所の応急処置も可能です。
バックパッキングの必需品であるストックにもビニールテープを巻きます。石突きは金属製で攻撃性が高く、積雪期の山歩き以外ではゴムキャップを被せるのが基本。徒歩旅では側溝のグレーチングに引っ掛かってキャップを紛失しやすいため、テープで脱落防止を施しています。これなら行動中に抜けることがありません。後から剥がしやすいように、端末を貼り合わせてタブを作るのがポイントです。
ビニールテープの欠点はベタベタすること。耐候性に優れるとはいえ、直射日光や風雨に曝されると粘着剤が溶け出します。サイコンやストックのような樹脂・金属製品ならパーツクリーナーで落ちますが、ナイロンストラップの端末処置に用いるとベトつきが残ります。あくまで行動中の仮固定や応急処置に使うテープであって、恒久的な固定には向きません。そういった用途にはベトつかない自己融着テープを使用します。
赤や緑のビニールテープはよく目立ち、パッキングに用いるジッパーバッグのラベルになります。品目と有効期限で色分けすれば、ジッパーバッグ本体に書き込むより識別しやすいです。同様の理由で、長旅に携行する食糧のラベルにも使用。食べ終わった後の袋はテープでコンパクトにまとめます。
防水性を活かして自動車用緊急保安炎筒のケースの密封に使用。非常時に湿っていて着火しない、という致命的な事態を回避するための処置です。ジッパーバッグに入れて赤テープを巻き、タブを作って開封しやすい状態で携行します。
ブチルゴム製の絶縁テープ。伸ばしながら巻き重ねることでテープ同士が張り付く特性があります。ビニールテープのように粘着剤が溶け出してベトベトしないのが最大の長所。グリップ部分に巻くには最適のテープと言えます。巻き付けるのが理想的な使用法ですが、貼り重ねるだけでも融着効果があります。私はカメラ(MINOLTA α-8700i、α-7700i)の劣化したグリップの代用としてブチルテープを使いました。グリップ性は高いです。
本来はブチルテープの保護にビニールテープを巻くものですが、ブチルテープをテープ保護に使うこともできます。三脚(SLIK エアリー M100)の蛍光反射テープ、アックス(PETZL GLACIER)のグリップテープ(YONEX ウェットスーパーストロンググリップ)の縁に巻いて、行動中にテープが剥がれるのを防止。粘着剤でベトつかないから重宝します。
いわゆるダクトテープです。耐候性と粘着性に優れ、ビニールテープとは違って手で切りやすいのが特徴。幅広のため、テントやレインウェアが破れた際の応急処置として有効だと思います。流石に1ロールは重くて嵩張りますから、補修に必要な長さを丸めて小さいジッパーバッグで携行。私の場合、汎用テープとしての役目はビニールテープで間に合っています。
テニスラケット用のグリップテープ。耐久性とグリップ性に優れるウェットタイプです。テニスの趣味は持っておらず、冬山登山の必需品であるアックス(PETZL GLACIER)のヘッドとスパイク付近に巻きました。グローブを嵌めた状態でのグリップ性が向上し、冷えた金属による凍傷を防止する重要な効果があります。突き刺しを繰り返すうちに剥がれないよう、テープの縁には自己融着テープを巻いています。
ラケットテープは自転車のバーテープにも適します。安物のクロスバイクでツーリングしていた頃、バーエンドバーのグリップ性とクッション性を高める目的でラケットテープを使い、その効果を実感しました。現在のツーリング車(TOEI スポルティーフ)はドロップハンドルに専用のバーテープを巻く仕様のため、ラケットテープの出番はありません。
ロック機構を備えた樹脂製のバンド。自転車業界では"タイラップ"と呼ばれ、サイクルコンピュータをステムやフロントフォークに固定したり、配線の取り回しに用います。機械業界ではヘラマンタイトンの製品名である"インシュロック"の通称が一般的。様々な長さや形状のバンドを配線・配管部材として多用します。一度ストラップを締め込むと開放できないため、恒久的な固定に適します。
カメラ(MINOLTA α-8700i)やライト(GENTOS RX-032D)のストラップホール、トラウマシザーのハンドルに取り付けてランヤードのループを作ったり、ケーブルレリーズ(ROWA TC-2003)にフック(NIfCO GS7)を取り付けるといった使い方もあります。締め込んで余ったストラップはニッパーの刃を押し当ててカットし、鋭利な端末が飛び出さないようにするのが業界の鉄則です。
繰り返し使用できる画期的な結束バンド。レバーを押すとストラップのロックが解除されるため、何度も脱着したい箇所に適します。私はコンデジ(RICOH WG-6)にスコープカバー(Vortex Defender Flip Cap Objective 44)を装着するパーツとして採用。行動中は確実に固定され、手入れの際は容易に外れます。旅先で何かを結束する場合にも便利ですから、長いタイプを数本携行します。
熱を加えると収縮する特殊な樹脂製のチューブ。機械の配線作業において電線の絶縁・保護に使用する部材であり、電線や圧着端子のサイズに合わせて様々な仕様の製品が用意されています。その特性に注目し、靴紐の端末処理やスパッツに使うショックコード 3mmの保護カバーに活用。チューブを収縮させるにはヒートガンと呼ばれる専用工具を使います。靴紐に用いる場合、収縮後のチューブ内に瞬間接着剤を垂らして固めると金具に通しやすくなります。