2022-09-17 公開
旅先と日常生活で役立つかもしれない非常用装備。活躍の機会が訪れないことを願います。
火災時の避難用品。耐熱温度150℃の特殊多層フィルム製の透明の袋です。火災発生時に袋を開いて空気を入れ、フードとして頭に被って保持しながら安全な場所に避難します。この袋を被れば一時的に有害な煙から遮断され、眼を開けた状態で行動可能。袋の容量的に、歩いて5分間、走って3分間呼吸ができます。ただのビニール袋のように見えますが、こういった保護具が有るのと無いのとでは大違いです。
けむりフードは軽量コンパクトなので、ザックやポケットに収納しやすく、日常生活だけでなく旅先に持って行っても嵩張りません。こういうことは書きたくなかったのですが、近年、一般市民を無差別に殺傷する凶悪犯罪が多発。電車内や施設内で放火事件に遭遇する可能性は十分考えられます。突然の火災から自分の命を守るため、常に取り出しやすい場所に入れて携行します。
自動車に積載する発炎筒。非常時の信号として携行します。
ツーリング中に交通事故に遭遇した際、他の車に危険を知らせるのが本来の使い方。明るい光を放つ特性に注目し、山で遭難した際の信号としても備えています。燃焼時間は5分以上。メーカーによると光度は160カンデラ以上あり、昼間は0.6km、夜間は2km先から視認できるとのこと。捜索中のヘリコプターに自分の位置を知らせるには最低限の明るさですが、何も持たないよりはマシです。
使用する際はケースから抜いてマッチの要領で点火。風雨下でも発炎する性能とはいえ、湿った状態で携行すると非常時に着火しない可能性があります。湿気対策としてケースをビニールテープで密封し、戦人 防水処置袋に収納。素早く開封できるよう、テープの端末を貼り合わせてタブを作ります。火を起こすわけですから、野外で使用する際は雑に扱って山火事を発生させないよう注意が必要です。
遭難時に用いるポリカーボネート製の鏡。中央の照準を覗きながら太陽光を反射させ、捜索中のヘリコプターに自分の位置を知らせる信号の機能があります。反射光は30マイル(約50km)先でも視認可能。同じ仕組みのミラーは米軍のサバイバルキットにも採用されており、有効性は高いと思います。
使用中に紛失しないよう、蛍光反射コード 2.5mmとコードエンド(ITW Nexus Zipcord)で手首に掛けるストラップを作成。剥き出しでは鏡面が傷つく恐れがあるため、ウェスに包んで収納します。もちろん太陽が出ていない場合は使用できませんので、自動車用緊急保安炎筒を携行すると安心です。
遭難時に用いるポリプロピレン製の笛。MIL-SPECパーツを得意とするITW Nexusの製品です。平均音量は106dbとありますが、一般的な警笛と比べて捜索隊からどれぐらい聞こえやすいかは分かりません。ISO 12402-8に適合しており、水上で救助を求める際に大きな効果を発揮すると思われます。
ザックのストラップに掛けられるクリップを備え、薄型で携行性に優れたデザイン。紛失しないようモンベル リフレクティブ張り綱 3mmで首に掛けるストラップを作り、脱落防止のフック(NIfCO GS7)を通しました。上述のミラーと併せて、できれば一度も活用したくない器具です。
一般家庭で起こり得る火災に対応する蓄圧式粉末(ABC)消火器です。
私は野宿旅に特化した各種アウトドア装備を揃えており、非常時に自宅に籠城するための備蓄や、自宅を脱出して野営するためのザックを常備しています。しかしながら、自宅で火災が発生し、肝心の装備一式を失っては何の意味もありません。自分のライフワークである旅の写真やサイトのデータが入ったPC及びハードディスクは装備よりも大切であり、これを失えば人生が終わってしまいます。火事を起こさない環境作りは当然として、火事が起きたときの初期消火の手段を用意するのが望ましいです。
FM-Xシリーズには4種類の製品があり、いずれも使用方法は同じ。FM1200Xは総質量が約2.55kg、薬剤質量が1.2kgの4型です。メーカーの区分では業務用ですが、住宅用の3型は使用期限が僅か5年。業務用の4、6、10型は10年だったので、耐用年数と取り回しの観点で4型を選びました。実際に炎に向かって使ったことはないので性能は未知数とするも、大手メーカーの国家検定合格品なので安心感があります。一生使う機会が訪れないことを願いながら、万が一の備えとして台所の隅に安置しています。