山陰ツーリング II
01|プロローグ
02|宮津駅~天橋立~籠神社~浦嶋神社~京丹後
03|京丹後~玄武洞~余部橋梁~鳥取
04|鳥取~白兎神社~米子~黄泉比良坂|揖夜神社
05|~松江|松江城・小泉八雲旧居・八重垣神社
06|松江~国鉄大社駅~出雲大社
07|***
08|エピローグ
2013年5月29日(水) 4日目
ラストスパート。
現在地は島根県松江市の道の駅「秋鹿なぎさ公園」。
結局雨は止まず、今も降り続けています。
本日の目的地は出雲大社です。
出雲大社を探訪すると、日御碕を往復してJR出雲市駅へ。
後は駅前のビジネスホテルにIN、明日輪行で帰ります。
0625、雨天走行の準備をして出発。
序盤からラストスパート。
昨晩と同じく、宍道湖北岸のR431で出雲方面へ。
大体50~60kmぐらいの短い行程で、今日が実質最終日。
当初のプランより1日早い日程。2、3日目で走りすぎたおかげです。
路側帯は広く交通量は少なめ。どうせ雨なので諦めて走ります。
たまにはレインウェアを一切使わないツーリングをやりたい。
こちらが出雲周辺の地図。
松江方面から延びてきたR431を使えば出雲大社へ直行。
それでは味気ないのでR161に乗り、国鉄大社駅から向かいます。
こうやって旅っぽさを演出するルート設計が重要。
旅感が欲しい。
※国土地理院の「地理院地図(新版)」から抜粋して掲載。
「カシミール3D」で出力し、ポイントを追記しています。
0745、R159で西代橋までやってきました。
R431を外れると狭い農道。自転車には厳しいです。
とりあえず出雲路自転車道に合流してみることに。
前回のレポにも書いたように、私は自転車道を信用しておらず、
走りやすそうに見えても入ることはありません。どうしようかな。
ここで自転車道に乗ると、R159沿いに進行可能。
神代橋でR161に乗り換えて出雲ドームに出られそうです。
というわけで、今回に限って自転車道の使用を決定~
斐伊川沿いの自転車道に進入し、雨の中をのんびり走ります。
今日は距離を伸ばす必要もありません。
0820、神代橋。
先程のような合流点は無く、どう見ても乗り換え不可能。
ああ・・・自転車道なんかを信じた自分が馬鹿だった・・・
乗り換えさせるつもりがないなら強行突破すればいい。
適当な斜面を下り、畦道を通ってR161へ。
自転車道は二度と使わない。
R161に合流。田園地帯を抜けていきます。
自転車道は地元のサイクリストが利用するものであって、
遠方から来たサイクルツーリストには向いていないのでした。
0840、出雲ドーム前のファミリーマートにピットイン。
ここまで約25.8km。休憩&朝食タイムとします。
朝食は済ませてありますが、今のうちに昼食を兼ねて補給。
これで行程終了まで無補給で走れます。という謎の理論。
「Googleマップ」から作成した乗換地図でルートを確認。
R161から国鉄大社駅~道の駅「大社ご縁広場」~出雲大社という流れ。
以前はひたすら迷って変な道を走っていましたが、
今では乗換地図と『ツーリングマップル』を併用してナビゲーション。
どうでもいいところでロスしたくないから、こういう部分は合理的に。
(詳細はナビゲーションのページを参照)
0930、長い休憩を終えて出発。
とにかく進みましょう。
R161で出雲大社方面へ。もう少しです。
0957、国鉄大社線の大社駅。ここまで約30.9km。
R161から外れたところに位置しています。
駅舎内へ。ハイヤーの観光客が来てますね。
湿気でレンズが曇り、まともな写真になりません。
・・・例によって2016年8月13日補完分。
JR出雲市駅から一畑バスを利用して大社駅へ。
旧JR大社駅バス停にて下車しました。
駅舎の様子。当駅は明治45年(1912年)に開業し、
平成2年(1990年)の大社線廃止まで多くの参拝客に利用されました。
和風な感じの建物で、重要文化財・近代産業遺産となっています。
ホームも当時のまま保存されています。
ここは寝れそう、というありがちな印象。
出雲大社方面には大鳥居が見えます。
ここまで、2016年補完分でした。
1015、出発。
駅前の通りを北に向かうとR161に合流し、出雲大社に直通。
後1kmほどですが、道の駅に寄っていきますよ。
1020、道の駅「大社ご縁広場」。ここまで約31.5km。
当初は5日目の夜に、ここで野宿する予定でした。
バスツアーの観光客がぞろぞろ。
これが最後の休憩。日御碕へのルートも確認しておきます。
擬装したローソンがあって補給には困りません。
1040、休憩終了につき出発。
堀川の宇迦橋を渡り、出雲大社の一の鳥居である大鳥居をくぐります。
この大鳥居が建てられたのは大正4年(1915年)のこと。
出雲大社と大社駅を結ぶ参道の一部として整備されました。
あれほど長かった道のりが、今では短い感じ。
一畑電車大社線、出雲大社前駅を通過。
昭和5年(1930年)に大社神門前駅として開業しました。
大社駅とは正反対で、シャレオツなカフェみたいな洋風の駅舎。
こちらは登録有形文化財・近代産業遺産となっています。
大鳥居内側のR161に位置し、出雲大社まで300mほど。
ストレートに参拝する場合はここが最寄駅になりますが、
個人的には大鳥居を通るほうが旅っぽいと思う。
神門通りを抜けて出雲大社へ。
次ページに続きます。
初めての探訪の目的地に、再び自転車でやってきました。
探訪レポというより思い出補正で企画したようなツーリング。
5年前から今に至る道を想うと、感慨深いものがあります。
参道入口、勢溜の大鳥居は定番の記念撮影スポット。
私もガイドのお兄さんに頼んで撮ってもらいました。
雨はもう上がり、僅かに太陽も見えています。
やはり私の旅は神様に守られているのでした。
1100、観光センター前の駐車場。
自転車を置いてゆっくり参拝&散策モード。
平成20年(2008年)4月に仮殿遷座祭があり、平成の大遷宮が開始。
今年、平成25年(2013年)の5月10日に本殿遷座祭を終えたばかり。
60年ぶりの大遷宮ということで、とても賑わっています。
まずは下り参道右手にある、末社の祓社へ。
ここで心身を清めるのが正しい参拝作法です。
祭神は瀬織津比賣神、速秋津比賣神、気吹戸主神、速佐須良比賣神。
四柱で祓戸神と称します。
祓橋を渡ると、鉄の鳥居と松並木の参道。
真ん中は神様の通り道。一般人は左右を通りましょう。
銅の鳥居をくぐると荒垣内へ。
ここから境内中心部となります。
荒垣内に入ると、正面には拝殿。
本殿の修造中はこちらが御仮殿になっていました。
全ての修造が終わるのは、平成28年(2016年)3月のこと。
祭神は素盞嗚尊の子孫である大国主大神。
国津神の代表格で、かつての名は大穴牟遅神。
大国様として親しまれ、現在でも篤く信仰されています。
根の国を脱出した大穴牟遅神は大国主命を名乗り、
少彦名命や幸魂奇魂と出会って葦原中国の国造りを実施。
開発した国土は色々な事情から天津神に譲ってしまいますが、
出雲の地に天日隅宮という立派な宮殿を築いて暮らすことに。
これが、出雲大社の起源と伝わっています。
八足門の向こうには楼門と本殿。
祭神が鎮座され、瑞垣と玉垣で厳重に守られています。
古代には空中神殿があったと考えられており、
様々な研究調査が実施されているものの、よく分かっていません。
中世に入ると神仏習合の影響で仏教色が濃くなり、祭神は素盞嗚尊に。
境内には仏教建築が立ち並んでいましたが、江戸時代になって全て撤去。
神話の記述に沿う形で、祭神は大国主大神に戻されました。
東方では「儚月抄」関連といったところですが、
それほどストレートな元ネタじゃないから割愛で。
瑞垣の周りを反時計回りで巡ります。
右手には旧暦10月の神在祭の際、八百萬の神々が泊まる末社の東十九社。
その隣には素盞嗚尊の御子神、宇迦之御魂神を祀る摂社の釜社があります。
本殿の背後には、素盞嗚尊を祀る摂社の素鷲社。
禁足地である八雲山(175m)の南麓に位置します。
瑞垣の西側に回ってきました。
本殿は八足門のある南向きに建てられていますが、
中の御神座は西向きなので参拝所が設けられています。
瑞垣内には須勢理比売命を祀る御向社、蚶貝比売命・蛤貝比売命を祀る天前社、
多紀理比売命を祀る筑紫社、宇治神と久多美神を祀る東西の門神社もあります。
出雲国造の祖神、天穂日命を祀る摂社の北氏社。
隣には17代目の国造、宮向宿彌命を祀る摂社の南氏社。
そして八百萬の神々が泊まる末社の西十九社となっています。
神楽殿は、出雲大社教が本殿とは別に祭神をお祀りしたことに由来。
観光センター前の駐車場から繋がっています。
日本一の大注連縄で有名な神楽殿。
この注連縄は昨年7月に掛け替えられました。
尚、注連縄に賽銭を投げるのは神様に失礼な行為です。
刺さると痛みますから、投げ付けないでください。
散策を終えて参道へ戻ります。
ここから2016年8月14日補完分。
道の駅「大社ご縁広場」から出雲大社へ。
徒歩で補完に訪れても、やっぱり野宿が基本。
参道入口、勢溜の大鳥居。
平成の大遷宮は、平成28年(2016年)3月にひとまず完了。
平成31年(2019年)3月に向けて第二期事業が続きます。
出雲大社を訪れるのは3度目。
勢いだけで実行したツーリングを補完していきます。
参道を抜けると左手に御慈愛の御神像。
もうお分かりのように、因幡の白兎の伝説に因んだもの。
白兎神社にあった像に比べると、ちょっと勇ましすぎる顔つき。
若い頃の大穴牟遅神というより後の大国主命のイメージになってます。
参道を挟んで反対側にあるのはムスビの御神像。
大国主命が自身の幸魂奇魂に出会い、おかげを頂く場面です。
この出来事により大国主命は神性を養われ、ムスビの大神になったそうな。
幸魂奇魂は大物主大神として、奈良県の大神神社でお祀りされています。
勢溜の大鳥居から駐車場に戻りましょう。
次ページに続きます。